伊藤ひであきの市政報告

2009年12月 予算委員会のポイント

1.2款.1項.1目 一般管理費、13目企画費から シティプロモーション活動費にかかわる準備予算について

(1)すでに様々に議論され、市長自らも東京事務所開設に向けて強い決意を示している。東京事務所は@首都圏におけるシティプロモーションの行動拠点A自律的自治体への推進・サポート拠点B広域・産学サポート拠点と位置付け、日本都市センタービルを最有力候補に決めた理由については「多くの都市が入居しており、情報ネットワーク構築の観点で優位性が高い」とされた。

 また、シティプロモーション活動は具体的には手筒花火や路面電車など一定の認知度を有する各種資源、うずら卵や次郎柿など地元産品のアピールから始めたいと考えている。
 一般質問では市ヶ谷ビルも検討したとされたが、それ以外にも例え狭くても人通りの多い新宿や池袋、渋谷などで地元産品のアピールの意味で豊橋ショップ、ええじゃないかショップを開設し、その奥に営業事務所という形態だって考えられたのではないか。

 多くの都市が入居している都市センタービル、それも9階に一部屋空いているところに入居するという。時代が急速度で変化し、政権も変わっている中で、旧来の考え方を踏襲し、「弱い者は群れたがる」式の選定の仕方で、チェンジもチャレンジも感じないが考え方を伺う。

2.3款民生費、3項児童福祉費、10目子育て応援特別手当費

(1)今回子育て応援特別手当給付事業費の減額補正について  先の9月議会の予算委員会でこの事業は平成21年度予算が成立した直後の15兆円規模の新年度補正予算であり、緊急経済対策という大きな命題の中で、経済危機から国民の、市民の生活を守ろうという大きな意味があったはず。しかし、政権交代という大きな変化の中で新政権は補正予算執行のT部凍結という方針である。行政の継続性の面からも、全国市長会、中核市市長会の副会長としても大いに踏ん張っていただきたい」と申し上げたが、市長はどのように踏ん張っていただいたのか、伺いたい。

 また、9月議会答弁があったように国会で決まり、内示はなくても、要綱がすでに提示されていた「子育て応援特別手当」が平成21年10月15日付の厚生労働大臣長妻昭の「お詫び」文書1枚で執行停止になるような、国と地方のあり方をどのように考えておられるか。

3.3款民生費、3項生活保護費、2目補助費から生活保護者等援護事業費について

(1)そもそも母子加算は何故廃止されたのか。

 参議院で成立した“母子加算復活法案”は、生活保護世帯の母子加算(月2万3000円程度)が4月で廃止になったことで、約10万世帯(子ども約18万人)に高校進学や修学旅行の断念など深刻な影響が出ているとし、当面、母子加算を復活させるという内容でした。そこでまず伺いたい、母子加算が廃止になったことで、本当に高校進学や修学旅行の断念など深刻な影響がでて、どうにもならない実態に立ち至っているのか伺う。

(2)昨日の日経新聞は生活保護を受けている母子世帯(生活保護世帯)と受けていない母子世帯(一般世帯)の生活実態を比較した調査結果を公表した。
 生活保護世帯の「仕事あり」は42.4%で一般母子世帯(81.2%)の半分にとどまった。また生活保護世帯の64.7%が就労できない理由に「健康に自信がない」を挙げており、母親が通院している世帯でみると、生活保護世帯では「うつ病などの心の病気」が30.8%と最も多かった。健康問題の影響が目立ったとし、母親の悩みやストレスの相談先は一般母子世帯は「友人・知人」(60.7%)、「家族」(39.1%)が上位だったが、生活保護世帯は「民間の相談機関(58.7%)」「医師」(57.0%)で身近に相談相手がいない実情も浮かび上がった。  本市の母子家庭の実態について伺う。

4.補正予算全体から

(1)日本経済にデフレの波が押し寄せ、企業収益の減少↓従業員の賃金低下↓消費の低迷↓物価の一段の下落といった負の連鎖「デフレスパイラル」を招き、景気の足を引っ張り始めた。

 こうした中で、年末、年度末を迎えていく。今最も大事なのは「景気・経済対策」。12/9日に発表された内閣府の11月の景気ウォッチャー調査によると、前月比7ポイントも下落、先行き判断DIも8.3ポイント下落、2001年8月以降で過去最大の下げ幅となっています。「政府のデフレ宣言、円高、株安が原因」との分析です。二番底の不況が列島に重くのしかかっている師走です。

 こうしたなかで703,6201千円という補正予算です。中味といえば、579,0371千円と82%が民生費。土木費が222,6601千円といっても、花田大崎線の課題になっていた用地買収が急展開したことによるもの。繰越金、財政調整基金、市債を総動員して市独自の現下の威しい雇用・経済状況に鑑み、中小企業や離職者に対する支援を緊急経済対策など考えられなかったのか伺う。

-----------------------------------------参考-------------------------------------------------------

 母子家庭が抱える課題は、単にお金を配れば解決するということではなく、母子家庭の自立に向けて、きめ細かなニーズに応える支援が大事だと我々は考えたのだ。

 母子加算は1949(昭和24)年、子どもを持つ母子家庭を対象に追加的な栄養が必要との理由から創設された。以後、ひとり親に生活費の上乗せとして支給され、生活保護の基準は引き上げを重ねてきた。

 しかし、2004年に母子加算について検討したところ、食費や被服費、光熱費などの支給額が、生活保護を受けていない一般の母子家庭の平均的な消費水準を上回ることが分かった。

 そこで、一律の機械的な給付を廃止する一方、母子家庭の多様な課題に適切に応えるとともに、生活保護の真の目的である自立支援という原点に立ち返る観点から、(1)就労援助(2)教育支援――の給付に転換した。 母子加算の見直しにより、現在の母子家庭の生活保護費は、都市部で未就労の家庭を例に挙げると、(1)子どもが2人の場合は月額約27万円(2)子どもが1人の場合は月額約21万円――が支給されています。  ほかに(1)医療費はすべて公費で無料(2)非課税で社会保険料は免除(3)保育園の保育料は無料(4)学校の給食費やワークブック代も支給――など手厚い支援を行っています。また、民主党は同復活法案提出について、高校進学と修学旅行の断念を理由に挙げています。

 しかし、05年度からの母子加算の段階的廃止を踏まえ、高校生については、05年度から高校での学習に要する費用を支給する高等学校等就学費を創設し、1世帯当たり月額1万5000円程度が支給されています。同就学費により、入学時には入学金(実費)、学生服、カバンなど入学準備のための費用(6万1400円以内)も支給されます。
 一方、母親については、07年度から就労支援のため、ひとり親世帯就労促進費を創設しました。母親が就労している場合、月額3万円以上の収入なら1万円を支給、3万円未満、または職業訓練を受けている場合では、月額5000円が支給されます。
 さらに、09年度補正予算では、家庭内学習やクラブ活動の費用を賄うための学習支援費を創設(小学生・2560円、中学生・4330円、高校生・5010円)しました。
 高校生を持つ世帯については、こうした額を合計すると母子加算2万3260円(東京都など)を上回ります。従って、民主党の言うように母子加算の廃止で、高校進学や修学旅行の断念など深刻な影響が出ている、といった指摘は当たらないと考えます。

 母子家庭の中には病気や障がいがあるため働きたくても働けない世帯もあります。この場合は、障害者加算(東京などでは月額2万6850円)や医療扶助などの支援策などが用意されています。
 こうしたさまざまな施策に加えて、09年度補正予算では、ひとり親家庭への支援強化のため、「安心こども基金」を創設(500億円)しました。
 主な支援策としては、看護師や保育士など経済的自立に効果的な資格(例・3年間の看護師養成コース)の取得を支援する「高等技能訓練促進費」(11年度まで)が、月額10万3000円から14万1000円に拡充。支給対象期間も修業期間の2分の1から全期間に拡大されます。
 また、子育てなどのため就業が困難な母親に対して、地元経済界などと連携して在宅就業を積極的に支援しようとする地方自治体の事業に対し、助成を行います。
 これからも生活保護を受けている母子家庭の実態について改めて調査を行い、必要な支援策に取り組みます。


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