伊藤ひであきの市政報告

2009年11月 総務委員会のポイント

1.シティプロモーション戦略・東京事務所について

本市はシティプロモーションの展開により、「対内投資の増大」、「交流人口の増大」、「定住人口の増大」を図ることで、人、モノ、資金、情報の流入を促進し、「自立した魅力あふれる都市の実現」をめざす・・・とされる。その活動拠点として東京事務所を開設する----とされる。

(1)昭和54年12月に赴任地-豊橋の辞令を受け取った時に最初に浮かんだイメージは「地味」、「危うい三河ナンバー」、赴任して最初に豊橋駅へ下りた時は「暗い」「時間が止まっている」というイメージ。
 営業で走り回るようになってのイメージは「よそものを嫌う」排他性、「買うのか買わないのか、発注してからも値段が高いの、あれをつけよ、これをサービスせよ」という”せこさ”。
 議員になって一番いちばん感じたのは「周りが、ご親戚とご学友ばかりで、本音をいわない」。「まあな、お前だけ目立ってもしょうがないでノン、ボチボチいこめいか、ノンホイ」、いまだに私はこのまちが嫌いです。

 しかし、このまちに住んで30年。そういう豊橋の気風は、南は太平洋、西は三河湾、東は県境、北は岡崎・豊田・そして名古屋・・、こういう地理的条件--独特の経済・文化圏の中で豊橋で生きていくための、豊橋人の”智恵”だと思うようになった。

 こういう豊橋に、人・モノ・資金・情報を流入して、自立した魅力あふれる都市の実現をめざそうというシティプロモーション戦略はどうしても無理があるように、思われてならない。
 なぜかなら、それは、そのまま都市間・地域間競争に豊橋をさらすことになる。競争である以上、勝てば地域活性化につながるが、負ければ衰退につながる。負けることをやってはいけない。勝つためには勝つための条件が必要と思う。

 その場合に一番障害になるのは、先ほど来、縷々申し上げている「豊橋人気質(かたぎ)」だと思う。それを克服するためには「地域力」、もっといえば「市民一人一人の人間力の向上」が先行すべきであると考える。
 シティプロモーションはその戦略本部に係る人だけのものでなく、シティプロモーションは、行政だけではなく、民間企業なども含めた市民一人ひとりの手により推進することで大きな効果が表れるのだと考えます。ここらをどう考えるか。

(2)私自身の体験として、23年前、ITベンチャー企業を4人で作り、東京への進出を何としても果たそうと、その切り込み隊長で東京・関東を走り回った。あの人の群れにへドが出るくらいで、池袋の狭いアパートに戻るとクタクタに疲れた。
 しかし、その疲労感は人・モノ・資金・情報が溢れているのが東京であり、その刺激が自分をクタクタにしているのだと思った。だから、豊橋の新しい扉を開くために東京に事務所を構えるという考え方は反対する術はない。
 しかし、その初期の目標を達成するためには、それだけの資源−ヒトとカネと戦略をつぎ込めるか。そのマネージメントができるかがポイント。国土交通省の関係者である市長と副市長がおられて、国土交通省の補助金の使い方に大きな反古があったというような事はあってはならない。ここらをどう考えるか。

2.市民協働推進計画について

(1)何のための市民協働か、往々にして財政が厳しい市に代わって、ボランティアで動いていただける市民に丸投げして事をなそうとするような方向に行けば、あるべき姿ではないし、必ず行き詰ります。

 私たちは19年前の90年8月に朝倉川にゴミや空き缶が多いので拾おうと「朝倉川を守る会」を結成し、春と冬、有志で朝倉川の清掃活動をしてきました。途中、いろいろな課題もありましたが、その時々にマスコミの皆さんや時にはテレビ報道もしていただき、それが励みで続けてきました。
 何よりも「朝倉川にゴミを捨てる人は多いのに、ゴミを拾う人がいることに頭が下がります」とお手紙をくださって、そういう人たちも少しづつ参加していただけるようになったのが励みです。

 10年たって、商工会議所の地域貢献活動ということで「朝倉川育水フォーラム」が結成され、毎年2000人近くが集まる530運動となってきました。それで私たちは、その530大会に参加する一グループとして春は参加し、正月前には「守る会」が単独で約80人の参加で清掃活動を続けています。

 そして「朝倉川育水フォーラム」に所属団体費用として年6000円を納めなければなりません。また春の630大会はテントまで張って、せっかくの菜の花が踏み荒らされるほど人が集まって、その上、市からの補助金は毎年50万円。たかがゴミ拾いに、私たちはそれぞれが市や県から頂いてくる手袋とごみ袋だけで同じ事ができるのに、なんでこんな大がかりな運営体制が必要で、50万円もお金をかけなければならないのか、今でも疑問です。

 資料のP.8「市民協働とは、市民は市が金がない事をを理解し、市が市民を使って、安上がりでまちづくりに取り組むことである」ということになりかねない。

 市民活動とは何か、市民協働とは何か、こうした協働推進計画を策定されるためには様々な市民団体とよく話し合わなければ、「自発的な市民運動に行政が介入してくるのは、いらぬお世話」となりかねない。どう考えるか。

(2)資料P.5自治会加入率は約70%、地域コミュニュティの柱となっている自治会、総代会から名前が変わって3年たつ、少しづつでも「自分たちのまちは自分たちで治めていこう」という機運が上がってきているのだと思います。
 資料P22には「地域づくり活動交付金への統合」という言葉があるが、自治を醸成するなら、一定の権限と財源を自治会におろす必要がある。
 大阪。池田市では「地方分権から地域分権へ」というスローガンのもと11小学校区に必要な事業を地域の提案により実施する制度を作り、住民税の1%を校区の「地域コミュニュティ推進協議会」におろして地域にあった事業を行うという大胆な試みが行われている。まず1000万から始まって将来は3億円を1小学校区にお渡ししようという。

 市と市民は対等だと言いながら、市民の提案を市が判断し、補助金を交付するしくみから得られる市民協働でなく、お金も、事業も自治会に任せるくらいの市民協働へ踏み出すくらいのイメージがあるのか伺う。


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