伊藤ひであきの視察報告

関・可児・美濃、コンパクトな町の手作りの挑戦(10/11)

 10月11日、9月下旬に豊橋市議会へ岐阜県関市から「せき親善大使」が「関刃物まつり」のPRにこられた関係もあり、岐阜県関市の「刃物まつり」。来春の豊橋に開設予定の「ファーマーズマーケット」の調査のためJAめぐみのが可児市に2年前にオープンしたファーマーズマーケット「とれったひろば」。そして11日から始まった「第15回 美濃和紙あかりアート展」を同僚議員と視察した。

 関市は9万4千人、可児市10万3千、美濃市に至っては2万3千人の人口のともにコンパクトなまちが展開する、ほのぼのとした、知恵と戦略性を含んだ企画であり、施策であり、地方の生き残りをかけた真剣さが感じられた。

●「関市刃物まつり」

 古式日本刀鍛錬や刀剣研磨外装技術の一般公開のほかに、メイン会場となる大廉売市会場では「鉛筆けずり体験」が行われていて、子供たちが刃物とふれあう機会を提供し、刃物の便利さ、安全な使い方を学ぶ場を提供している。
 また、東京・秋葉原の殺傷事件で関の刃物が使われたこともあり、市民の皆さんに愛されている円空さんをモチーフにしたマスコットキャラクターが「人様に刃物を向けるべからず」キャンペーンを行っていることは、特筆に値する企画であり、地場産業のマイナスイメージを懸命に転じようとする試みに感銘を受けた。

●「とれったひろば」

 このファーマーズマーケットのウリはなんといっても、岐阜県下最大級の大型農畜産物直売店であり、 作り手が見える「安心感」、朝採りの「新鮮さ」、地場直売の「お値打ちさ」、そして何よりお客様とのふれあいが「とれったひろば」の自慢だという。  JA管内から集まる地元産の新鮮な農畜産物。旬の野菜がひと目でわかり、安全・安心はもちろん豊富な種類によって、選ぶ楽しみも提供でき、また生産者と消費者の皆さんが集まる店内は、直売所ならではのふれあいの場となり、生産者には生産と挑戦への励みが、消費者には作り手の顔が見えることで、「安心」を得ることができる、まさに「食の安心広場」。
 昨年秋に環境経済委員会で視察した千葉の「しょいかーご」をはじめ、全国のファーマーズマーケットからの連携農産物も売り出されていて、多くの買い物客が訪れていた。

 大きな転換点にある農業の地域自立に向けた挑戦であり、生産者と消費者をつなぐ「架け橋」となることだろう。長く農業生産高日本一を誇っている豊橋市でも、いよいよ来春豊橋市南部にファーマーズマーケットが開設される。全体イメージを膨らませるには格好の視察だった。

●「美濃和紙あかりアート展」

 山里の夕暮れに全国から応募された一般部門、小・中学生部門合計585点の作品が、美濃和紙と光のコラボレイトで幻想的な作品がうだつのあがる町並に浮かび上がる、見事な手作りのイベントである。第6回ふるさとイベント大賞(総務大臣賞)を受賞している。

 10年ほど前に、一度訪れていて、その魅力に取り付かれ、度々訪れているが今年で15回目、すっかり定着した感がある。また10月12、13日の2日間、第5回スローライフまちづくり全国都市会議(スローライフサミット)が協賛行事で組まれていて、加入市町の首長などが美濃市を訪れ、この「あかりアート展」の視察などを行い会議が予定されている。

 また、人ごみの中で審査員の堀木エリ子氏(和紙アートディレクター、2003年にウーマン・オブ・ザ・イヤー賞2003、女性起業家大賞受賞)にお会いできたのは幸運だった。


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