伊藤ひであきの視察報告

住民が押上げる闊達な国分寺市議会(8/21)

 8月21日(木)午後、降り立ったのは西武国分寺線恋ヶ窪駅。この地域は鎌倉時代には宿場町として栄えたという恋ヶ窪商店街を歩いてすぐに、国分寺市役所の仮庁舎があり、その3階に議会事務局を初め議会関係があった。

 市役所が耐震診断の結果、使用不可となり、急きょプレハブの仮庁舎となり、市長は現在地での立替でなく、都所有の土地に新規に建設しようとしたが、反対運動もおこり、一時発表した「庁舎計画の今後の方向性について」および「全体スケジュール」については、白紙に戻し、改めて検討中とのこと。人口11.6万人、面積11.48ku。高齢化率は17%で若いまちである。

●延々と続く議会論議

 この国分寺市議会の構成は議員数24人。会派別構成は自由民主党市議団4人、日本共産党国分寺市議団4人、公明党4人、市民サイド3人、国分寺生活者ネットワークは3人、無会派6人と各会派は拮抗している。

 答弁も併せて60分の一般質問登壇者は毎回22人から23人。すなわち議長を除くほぼ全議員が一般質問しているのである。よって定例議会の一般質問の日程は5日間である。3月議会だけは市長の施政方針に対する代表質問制をとり、日曜日に実施していて、傍聴者も80人位が参加する。

 常任委員会も一日一委員会で予備日まで設定してあって、朝9時半から夜遅くまで、議案だけでなく、報告事項、所管事項全てにわたって延々と審議が行われているという。もっと特徴的なのは陳情も請願も同様の審議をし、審査には原則、理事者側の出席を求めず議員同士で議論を深めるという。

 また、議長を除く全議員による予算特別委員会でも、質疑の時間を確保するために、理事者側の説明は、予算概要、財政フレームなどを除き、個別説明票により説明時間を省略しているというから、いかに活発な議論が展開されているかが、うかがい知れる。

●政治意識の高い住民が押し上げる闊達な議会

 「市民の目」という機関紙を発行する市民団体もあって、市民の政治意識が高い事が、また議会をこれほどまでに議論の場に押し上げているのであろうが、国分寺市議会の議員は、党派・会派を問わずおそらく勉強、勉強の日々であり、その成果を実際の議会傍聴で確認したいと強く思ったしだいです。すでに今日(8月28日)から一般質問は始まっている。狭い仮議場の中で熱気ムンムンの質疑が行われているはずです。

 国分寺市の国分寺とは、奈良時代の天平13年(741)、当時国府のあった現在の府中市から北方約2.2km、武蔵野台地を背にした平原部に東西約0.9km、南北約0.5kmにわたって国分寺の建立が開始され、完成した武蔵国分寺は、諸国の国分寺に比べ規模や雄大さは群を抜いたものであったという。

 その国分寺建立によって武蔵の政治・文教の中心として 、経済・交通・文化・産業等あらゆる面で発達し、画期的な繁栄時代を迎えることになったという歴史のまち−国分寺市は、闊達な議会活動で培うエネルギーで新しい地方主権の時代をリードするかもしれないと頼もしく感じました。


 視察に際し、市議会事務局次長の和智 昭氏に大変にお世話になりました。ありがとうございました。


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