伊藤ひであきの視察報告

視察報告 韮崎の快適な街づくり 06.06.21

●厳しい財政、市民の参画

 市役所前に林立する「戦勝祈願」のノボリ−いうまでもなくドイツワールドカップの勝利を祈願するものであり、この韮崎市は追い詰められた日本のリーダー中田ヒデの故郷であり、サッカーの町である。
 毎年夏には3ヶ月に渡って「武田の里−サッカーフェスティバル」がまちをあげて盛大に開かれ、全国からもハイレベルな選手が集まる。

 この韮崎市、面積は143ku人口3万2千人、財政力指数0.66、公債費比率16.7%と財政事情は厳しい。市税収入が全体の1/3であり、効率的な行政運営と更なら行政改革に迫られている。厳しいだけに、街づくりにはに市民の行政参加、協働が不可欠であり、これらの実績が自治大臣表彰を受賞した一因となっている。

●ポジションの明確、反則に罰則

 この韮崎市、今春から「韮崎市環境美化推進条例」を施行している。これは平成14年9月制定の「韮崎市環境基本条例」に基づき平成15年に作られた「韮崎市環境基本計画」のなかで快適環境の保全、循環型社会の構築、環境保全活動の推進のために具体的な市民協働の美しい快適なまちづくりのためのルール作りを「韮崎市環境美化推進条例」に求めている。その具体化がこの「韮崎市環境美化推進条例」であり今年度平成18年4月1日に施行されている。

 このなかで市の役割、市民の皆さんの役割、事業所の皆さんの役割を明記している。
 市の役割:環境美化意識の啓発、広報活動、監視体制の整備などの施策を実施し、市民、事業者に協力を要請
 市民の役割:自主的に地域の環境美化活動、ゴミの持ち帰り等に努めなければならない。
 事業者の役割:事業所と周辺の環境美化活動に努め、事業活動によって生ずる廃棄物は自らの責任と負担で措置を講じなければならない。としている。

 広大な市域には不在地主も多く、それだけに特に土地を清潔に管理して不良状態にしない、ゴミの投げ捨て禁止、飲料販売する事業所は回収容器の設置と管理、犬・猫などの飼い主の義務の四つの規定に違反した場合は指導・勧告・命令し、その命令に従わないときは住所、氏名、命令のい内容、その命令に従わなかった旨等を公表するとした罰則規定まで設けている。

●ゴール目指してキックオフ

 韮崎市を訪れ「韮崎市環境美化推進条例」について学んだのは、6月議会で市制100周年を機に「530のまちづくり推進条例」を提案した私自身の立法作業のためである。38万農業都市的性格の強い豊橋市で果たしてそれはどのような形でなければならないのかを見極める必要がある。

 その意味でこの4月にキックオフした韮崎の「環境美化推進条例」。それぞれのポジションの役割を明確にし、美しいまちをキーピングし、イエローカードやレッドカードまで用意し、快適なまちというゴールに向かって市民協働で攻め上がろうとする。個人技と組織力でこのまちづくりのホイッスルは鳴ったばかりである。

 視察に際し、本会議中にもかかわらず韮崎市議会事務局の秋山主幹、市民生活部市民課の横内企画監、貝瀬副主幹には大変にお世話になりました。ありがとうごいざいました。


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