伊藤ひであきの視察報告

視察報告 松本で100周年を考える 06.06.20

●松本の100彩

 長野県松本市ー長野県中央に位置し西に日本アルプス、東に八ヶ岳を望む美しい信州の自然の恵みの中で、教育文化の香り高い環境と豊かな市民性によって発展を重ねてきて、昨年4月1日には四賀村、安曇村、奈川村及び梓川村の周辺4村の編入合併により、919kuの広大な市域を有するようになって、人口22万3千人の松本平の中核都市。我が国最古の木造天守閣の松本城の威容とともに「文化薫るアルプスの城下町」をめざす。
 歴史は古く、平安時代には信濃国府がこの地におかれている。市制施行は明治40年5月1日、すなわち満99年。来年、市制100周年を迎え新たなる松本の創造にはばたこうとしている。

●豊橋の100歳

 我が豊橋市も、今年8月1日に市制施行100周年を迎え記念事業が活発に、展開されていて、「新たな市民像を求めて〜パートナーシップによる協働〜」の基本理念のもと、全ての市民の英知とエネルギーを結集し、市民・団体・企業・行政が一体となり、ともに市制100周年を祝い、喜び、楽しみ、そして未来の豊橋のより住みやすいまちづくりにつなげていくため、「豊橋市制施行100周年記念事業実行委員会」を設立し、各種記念事業を活発に展開しながら、8月1日に向かっている。

 松本市を訪問させていただいたのは、とりもなおさず、準備に余念のない松本市の取組みから大いに学び、わが豊橋の「100周年」の取組みを見つめてみようとするため。ともに祝うだけでなく、次の100年をどのように迎え、どのように行動していくべきか、議会人としてしっかりと考える必要があるのでないかと考えたからである。

●ひらめくアイデア

 松本市の準備段階で注目されるのは来年平成19年5月1日から20年3月31日までの1年間を四季の4期にわけイメージカラーとステージテーマを設定している事。これは一年間という長期にわたるための中だるみを懸念し、メリハリをつけようとするもの。
 春(5〜6月)グリーン 花と緑と環境
 夏(7〜9月)ブルー 楽都・祭り
 秋(10〜12月)オレンジ 岳都・食・芸術
 冬(1〜3月)ホワイト 学都・伝統文化

 こうして「輝くひと きらめく未来 100彩まつもと」をテーマにメインイベント・メインシンポイジュウムを設け、各ステージに沿った事業を連携イベントとして開催し、「市民提案イベント」「地区イベント」などを市域全体を「100年のまちづくり展示場」として位置づけ、「市民が主役」「市民総参加」というコンセプトを中心にすえ、未来の松本を背負う子供たちに、いつまでも心に残る事業とする事を念頭に置いている。
 注目に値するのは冬場のホワイトステージに企画している子どもを対象に、マンガやむかし遊びを題材とした新規事業である。「歴史と文化を彩るマンガ城下」や「未来へつなごうむかし遊び松本フェスタ」などのイベントが企画されている。

 これらは3年前に「記念イベント市民懇話会」を設置し、計10回の会を重ね、提言書にまとめ提言しているが、そのなかには@市民による市民のためのイベントとすることA子どもからお年寄りまで幅広く誰でも参加できることB一過性のものでなく、できるだけ持続的可能なイベントなどを提案していることの具体化である。

●「花いっぱい運動」と「530運動」

 また松本市は「第50回全日本花いっぱい大会」を誘致し、100周年の来年6月23日に松本大会を開催する。このことの意味は全国に広がっている「花いっぱい運動」の発祥の地が松本であるからだという。50回の記念大会を発祥の地で松本で開催し、花いっぱい運動本来の基本理念に立ち返り、今後のさらなる発展につなげるために開催するのだという。

 豊橋は「530運動」発祥の地である。「100周年を機に新たなる530運動を」と3月議会、6月議会でアピールしているが、「100周年」を迎えるにあたり、そのための特別委員会副委員長も務めながら、事前になぜもっと強くアピールしなかったのか、「530運動全国大会」の開催を叫んだろうかと猛反省である。

 こうした市制記念イベントはどうしても官主導でないと動き出していかない側面がある。それを市民主役の市民協働の取組みに変えていくには、そのための様々な仕組みが不可欠である。その意味でコンパクトシティー松本の取組みは、輝きとひらめきに彩られていた。
 100周年を機に完成する松本駅自由通路、リニュアールオープンする南アルプス公園も待ち遠しいが、来年5月から始まる「100彩まつもと」に大いに期待したい。

 視察に際し、松本市議会事務局の上条局長、田原主査、そして記念事業担当の高木係長には大変にお世話になりました。ありがとうごいざいました。


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