伊藤ひであきの市政報告

2005年3月 教育費予算のポイント
**** 3/22 23:30  再改変して再掲***

1.1項 教育総務費 3目 教育指導費から「学力低下問題」について

 (1)文部科学省は2月11日、2004年度版「文部科学白書」を発表した。

 児童生徒の学力低下について、昨年12月に公表された二つの国際的な調査の結果を受け、「読解力が低下傾向にあるなど、世界のトップレベルとはいえない」と明記した。
 また、<1>学ぶ内容に興味がある生徒が少ない<2>学校以外の勉強時間が短い<3>テレビやビデオを見る時間が長い――などと指摘した調査結果を紹介し、「学習意欲や学習習慣に課題がある」と指摘した。

 白書では、学力向上のため、義務教育9年間で身につけるべき資質を到達目標として明確化することや、学習指導要領の見直し、指導方法の改善、少人数・習熟度別指導を推進し、授業の充実を図るなどの改革を進めるとしている。
 教育の現状については、都市化や少子化の進展による家庭や地域社会の教育力の低下、青少年の社会性、規範意識や道徳心の低下などの課題を列挙。「教育に対する信頼が揺らいでいる」との認識を示し、学校、家庭、地域を含めた社会全体での教育改革の必要性を指摘している。

 さてどうするか。

 ふと、「団塊の世代」の己が少年時代を思い出す。あのころ小学、中学時代校舎も教師も足りない。そのため体育館を四つに仕切ってのすし詰め教室で、代用教員の授業を受けた。その意味で団塊の世代は最悪の教育を受けたことになります。

 ところが戦後世代でおそらく最高の学力を備えたのはこの団塊の世代でしょう。高校進学率、大学進学率も、団塊の世代から急上昇を始めた。

 そして、二つだけ、その当時に合って、今ないものがあります。一つは二宮尊徳像。もう一つは算盤です。

 働きながら学ぶから二宮尊徳は背中にたきぎ(労働)、手に書物(学)なのです。勉強の原点は「働きながら学ぶ」これだと思うのは働きながら通信教育で大学卒業資格を取った私のこだわりでしょうか。

 戦中にすでに午前中は学び、午後は働く「半日学校制度」を提唱した教育者もいる。曰く「半日学校制度の根本儀を要約すれば、学習を生活の準備とするのでなく、学習生活中で実際生活も、実際生活の中において学習生活をなさしめつつ、一生を通じ、修養に努めしめる(生涯学習)ように仕向ける意味である」。
 すなわち、働きながら学ぶことこそ、最も適切な環境条件と結論されたのです。

 ゆえに、通信教育や夜間定時制高校の復活、小中学校での労働体験の拡大こそ教育の復権のキーポイントでないか。

 もうひとつは算盤です。何もない田舎でただひとつブームのように広がった塾がありました。「そろばん塾」です。

 今や、世界のトップレベルといわれるインドの若者は99×99ができるけど、日本の子どもは9×9すなわち九九しかできないといいます。
 算盤がもたらす計算力、なによりの暗算力こそ団塊の世代を一つの時代を創りえた最大の武器であると指摘されています。算盤が消えて、計算機になり、パソコンが普及したのと学力の低下の相関性を叫ぶ学者もいる。

 兵庫県尼崎市では「計算教育特区」に認められ算盤授業が復活するという。それを聞いた、私たちが使った「播州算盤」のふるさと兵庫県小野市は算盤何百丁かを無償提供したといいます。「パチパチ」とはじく算盤の音は人間教育の象徴ではないかと考える。

 @労働体験の拡大と算盤の復活−教育委員会の考え方を伺いたい。

 (2)横須賀市では、地域特性を生かした、実践的で高度な「国際理解教育」:地域に住む人材の活用の観点から、児童・生徒の外国語によるコミュニケーション能力の向上や国際理解教育の推進に大いに寄与している外国語指導助手等に特別免許状を授与し、特例の導入により市町村費負担の教職員として活用する。

 足利英会話教育特区:小学生から英語による積極的なコミュニケーションのための資質や能力を育成するため、カリキュラムを柔軟化する特例により、年間で1・2年生は生活科の時間から10時間、3〜6年生までは総合的な学習の時間から20〜35時間を、新たに設ける「英会話学習」に充てる。学級担任と市が独自に採用する英会話学習指導員(ネイティブスピーカー等)とのティームティーチングにより、児童が生きた英語にふれる授業を展開する。

 国際化教育特区 埼玉県新座市:「教育」、「交流」及び「共生」の三つの柱のもとで、市内の全市立小・中学校の全学年において「英会話」の時間を新設するなど、各種事業を推進することにより、特に教育分野に特色のある、国際交流が盛んで、国際化が進み世界に開かれた都市の形成を目指す。

 英語教育特区 宜野湾市:英語教育特区に認定されました宜野湾市では市内の2つの小学校で全学年での英会話授業を開始したようです。 綺麗な日本語を話すことと、英語へのアレルギーがなく楽しく学べること。これが小学校からの英会話授業の肝でしょうか。

 A「国際交流文化都市」をめざす本市の「子どもの未来のための施策特色ある地域づくりのため」の教育はどのような特色をもって臨もうとしていられるのか。伺いたい。

(農業都市が「農業再生特区」に手を上げない。検討はされたが地元農協や農業委員らが猛反発して幻に終わった。530豊橋も先進都市ではなくなっている。ならば教育はといっても一歩前に踏み出さない。スローガンに見合った戦略に欠けている。このつけは必ずやってくる)

1.6項 社会教育費 6目 美術博物館費から「吉田城シンポジュウムの開催」について

 東三河の戦国百年の歴史の中で、今橋・吉田城争奪戦が8回にも渡った。武田信玄の知恵袋・軍師といわれた山本勘助生誕地と墓が賀茂町にある。徳川二代将軍秀忠の母がこの豊橋の石巻の人であった。
 明応4年(1945年)に今橋氏親は、牧野古白に「当国馬見塚村辺に一城を築くべし」と申しつけ、古白は入道渕と言う所を定め、城を築き、約10年を費やし完成して今橋城と名付けた。今橋城、後の吉田城の完成は永世2年(1505年)。今年は正に築城500年に当たる。この事実を知っている人が豊橋にどれだけいるのだろうか。

 築城500年、市制100周年を機に吉田城の歴史を後世に残す手立てをどう考えるか伺う。


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