伊藤ひであきの市政報告

2004年9月定例本会議 一般質問
2004年9月 ●一般質問第二問 ごみ問題(9/8 08:30)
 看過できない動きがあります。

 容リ法に基づく(財)日本容器包装リサイクル協会にプラスチック製容器包装の引取りを申し込んでいる自治体数は前年度で1382、全体の約43%。県内では87市町村の約1/3に過ぎません。

 弥富町の海部津島環境事務組合のごみ処理施設「八穂クリーンセンター」では市民は分別していますが全量燃やしています。そして焼却の熱で施設の消費電力の85%を発電しています。担当者にお聞きすると「プラスチックごみをコークス炉や高炉で使うのと、我々のように焼却して発電するのと、それほど大きな違いがあるのだろうか」と答えてくれました。

 藤前干潟騒動以来、徹底してごみ問題に取り組む名古屋市は年間約2万8千トンのプラスチック製容器包装の9割は新日鉄名古屋製鉄所に送られコークス炉で熱分解されています。

 豊橋では7000トンプラスチックごみは東部環境センターで高度分別し、500トンは新日鉄名古屋製鉄所に送られていますが、残りは市の埋立処分場に送られ、残念ながら埋め立てられています。もちろん、圧縮された上での埋立ですから当然、処分場の延命策には貢献していますし、燃えるごみとして焼却されませんから、対ダイオキシンの削減にも大きく貢献しています。

 しかし、そのためには集めれば集めるほど金がかかる。「リサイクル貧乏」という言葉が生まれている所以です。

 それでこうした現実に、昨年11月、全国市長会は国への要望で「発電など一定の条件を備えたごみ焼却施設でのプラスチック容器などの処理は容リ法でのりサイクルに認定するよう」求めています。
 そして、2年前の12月議会で提案し確認させて頂いたとおり、今年6月、豊橋はプラスチックの全量リサイクルをめざし10億円かける中間処理施設を資源化センターの近くに建設するために起工式を行った。
 しかし、その頃から、環境省が市長会の要望も受けて、新たな方針を打ち出してきた。プラスチックごみを「燃えるごみ」として焼却処分を原則義務付ける。焼却することで不足している埋め立て処分場を延命し、自治体のごみ処理コストの軽減につなげるというものです。
 ただし、可燃ごみに統一するのはリサイクルされていない包装容器やレジ袋、ラップ類、樹脂製の玩具や文具などのプラスチックごみ。ペットボトルなど容リ法の対象品目は除くとしていますが、分別が各自治体の判断に任せるという。
 現在、プラスチックごみの分類は法律上の規定がなく、自治体がそれぞれ決めている。可燃・不燃は全国の自治体では半々。政令指定都市では横浜・京都・福岡などは八市が可燃ごみとして焼却処分している。

 全国市長会でのサーマルリサイクルを求める動き、環境省の「プラスチックごみは燃えるごみ」という動き、そして豊橋の10億円かける高度分別用中間処理施設の建設。どうなっているのでしょうか。こんな方向にごみ処理行政が動いたら、「私は10億円のムダ使いを提案した議員」になってしまいます。

「容器包装リサイクル法」対象品目は除くというが、リサイクルでごみ減量をはかり、循環型社会を推進するという方向から大きくはずれやしないか。

 「循環型社会推進基本法」は、製品が廃棄された後まで生産者が責任を負う「拡大生産者責任」をうたっています。「容器リサイクル法」はその理念に従って事業者の負担を増やし、ごみとなる物の生産を抑える方向に向ける手直しが必要であり、「全国市長会」はこの方向に動くべきではないのか。

市長の考え方を伺いたい。


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