伊藤ひであきの市政報告

2004年6月 ●三河港と産業振興の第二問

1.三河港港湾計画改定の動きと本市の産業振興について

(1)「リサイクルポート」指定、「国際自動車特区」認定から一年の総括と今後の展開について

 @リサイクルポートの指定を受け1年、様々な形でご努力されていますが、「自動車リサイクル法」がいよいよ来年2005年1月1日から本格施行されるわけで、計画、検討段階から具体化に踏み出す段階にきているのではないのか。その場合、三河港には蒲郡エリア、御津エリア、豊橋エリア、田原エリアのなかでどこに展開するのかというエリアの特定がまず最優先課題だと考えますが、現時点で3月末に三河港振興会が発表した調査報告書にあるとおり豊橋エリアと特定していいのかどうか伺いたい。

 A「国際自動車特区」によって仮ナンバーや外国人研究者の入国手続きの緩和など効率化、国際化の成果を答弁されたが、本来特区は地域経済活性化の切り札として大いに期待された中で、なかなか企業の実益も含めて地域経済活性化には結びついていない現実があるのではないか。三河港のなお一層の規制緩和と産業振興の具体化にどう取り組まれようとしているのか。伺いたい。

(2)地域再生本部へ申請する「国際自動車産業交流都市」について

 @それで地域の産業振興につながる三河港を核としたなお一層の支援策として申請されたわけですが、逆に懸念されることとして三菱自動車岡崎工場の閉鎖と三河港の影響、また三河港背後地としての豊橋の工業出荷額がこの5年間に大きくダウンし遂に2002年度では1兆円を切ったという深刻な実態がある。豊橋市基本計画の指標では平成17年度(2005年)1.2兆円、平成22年度(2010年)1.3兆円とは大きく剥離していく深刻さが伺える。これらの認識と対応について伺いたい。

 Aその上で交通物流ネット枠の整備では、中山水道航路(水深147m)が計画発表以来30年、遂に来年3月には供用開始となる。あるいはこの3月には船舶大型化に対応した神野埠頭8号岸壁第一バース(水深12m)も供用開始している。コンテナターミナル取り扱い貨物量も3万台が見えてくるなど物流需要も増大している。

 しかし、三河湾の中には増大する物流需要に対応できない水深の主要岸壁や航路が三河港の発展を阻害していると側聞するが、これらの維持管理には多大な費用を要するわけでこれらへの取組みについて伺う。

 さらに三河港及び臨海部と高速道路へのアクセス道路、臨海道路の建設、老朽化した豊橋海岸堤の改修を併せたスーパー海岸堤の構想もあるが、遅々として進んでいない。また実現の見通しがついたと思われていた豊川橋無料化に向けた取組みも不明のままである。最近の道路予算や国の補助金削減の動き、道路公団民営化の中でどう取組み、自動車物流港湾から総合物流港湾への飛躍を図る周辺アクセス道路の整備を進めるのか伺いたい。

 C港湾計画改定の動きの中で、環境保全ゾーンも確立されようとして汐川干潟や六条干潟などが守られ開発と環境の調和した港づくりに踏み出されようとしていることは評価できるが、そのことは港湾計画の縮小につながりかねない。この事により神野西埠頭の計画は大きく様変わりするわけで現計画では産廃処理場も計画されていたし、臨海道路東三河臨海線計画にも変更を余儀なくされることになるが、これらへの対応も伺いたい。

 D答弁にもあった国の補助を受けて整備した施設の目的外使用の容認申請については「ライフポートとよはし」がその具体化施設であろうかと考えられるが、文字通り「ライフポート」を「国際自動車産業交流都市」への地域再生にどういかそうとされているのか。また従来計画にあった国際産業交流会館、国際流通ビジネス拠点との整合性についても伺っておきたい。

(3)SOLAS条約改正に基づく三河港におけるテロ対策について

「三河港危機管理コアメンバー」の会議もすでに開かれ、7月からのSOLAS条約の発効に併せ取り組まれていることから、今後、さらに情報を共有し、各機関の連携を柱にハード・ソフト両面から取り組まれることを期待する。

(4)3年目を迎える「都市エリア産学官連携促進事業」の成果と今後の展開について

 平成14年7月、知的クラスター事業には採択されなかったが、それに準ずる形で都市エリア(中核的な都市とその周辺)の個性発揮を重視し、産学官連携で新技術を生み出し、新規事業の創出や研究開発型の地域育成などをめざす都市エリア産学官連携促進事業がスタートした。初期の段階で「地域企業への技術移転やベンチャー企業の創出につながる」と全国19エリアが採択され、平成15年度、16年度でも18地域が選定されているわけで、新たな地域間競争も始まっている。
 豊橋のそれは「高度センサーの多様な活用」として注目されたが、一定、全国的にも特筆すべき成果として評価されているということだが、最終年度を迎えた現時点ではポスト都市エリアへの取組みが期待されるわけで、サイエンスクリエイト計画の蓄積もふくめこの地域の特性を活かして、独立法人化しTCI(豊橋キャンパスイノベーション)を設立した技科大との連携も含め、今後の地域産業の活性化にどう結び付けていくのか伺いたい。

(5)「IT農業」、「次世代型とよはし農業創造計画」など農業振興への取組みについて

 @IT農業推進ビジョン、次世代型農業創造計画など農業産出額日本一の豊橋が先進的に農業再生に取組む意味は大きい。「日本の農業は効率が悪い。将来は暗い」と自信を喪失するばかりだった日本の農業を全国一の農業産地から再生に向けて情報発信する気概で取り組んでいただきたい。また市制100周年記念事業に位置づけられている来年8月の「食と環境のIT農業全国大会」のテーマ「のうぎょうっていいじゃん」へ向けての取り組みを期待するものである。

 それで、最大のポイントは農業の担い手の育成、確保である。そのためには規模の拡大と所得確保が必要不可欠。そのためのIT活用であり、バイオマス資源の活用であろうかと考えるが、産地間競争の激化は今や国際的、それに伴う収益の低下はIT活用によりさらに拍車がかかることにもなりかねない。この根本的な課題についてはどう考えられているのか伺いたい。

 A「農業創造計画」のなかでのファーマーズマーケットの整備、バイオマス資源の有効利用のための具体化としてのバイオマスタウンが提唱されているが、これらをエコビレッジ構想のなかで位置づけることはエコビレッジ構想のグレードアップと循環型社会の実践の場としても大きなコンセプトになると考えるがどうか。


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