伊藤ひであきの視察報告

八戸で男女共同参画を考える 2003.07.03

 「戸」というのは古代律令にもとづくものと考えられ、馬産地として知られていた地域の牧場に関連させる考え方や、蝦夷支配のために北進する朝廷側の前進基地とする考え方があって定かではない。岩手県から青森県南部にかけて、一から九の数字に「戸」が付く地名が残されていて、古代末期から糖部郡と呼ばれていた地域です。「糖部」の8番目の「戸」それが八戸市。人口25万人、イカの水揚げにおいては日本一を誇る「海洋立市」「教育立市」を推進している。

 この八戸市で「男女共同参画とは何か」の鍵が解けた。いや、優秀な職員の皆さんが言葉をきちんと整理し、青森県初の「男女共同参画条例」を制定し、「男女共同参画宣言」までもやってのけているのである。

 「幸せの条件は人それぞれだが、人に押し付けられず、自分のやってみたいことにチャレンジできる社会が望ましい。男だから、女だからという性別にとらわれることなく、自分らしく生き生きと暮らす事のできるまち」――これが八戸市がめざす男女共同参画社会である。

 「であるなら、八戸市いきいき人間都市宣言のほうが説得力はありませんか」角度をつけて質問すると「確かにそうです。こういう宣言や条例がむしろ必要のない社会のほうが自然だと思っています」。論理は明確である。

 また「条例制定し、宣言して、何が変わりましたか」という質問には「条例制定し、男女共同参画宣言をやってみなければ、それは解りません。また八戸市の行事のすべての機会に冠として男女共同参画宣言都市とつけれます。総務省からお金ももらえます。条例ができて市民の関心が一時的にも高まりました」とキッパリ。

 「条例というのは市民になじみが少ない。だから、なるべく具体的なことを盛り込みました。男女共同参画推進月間を10月と決め条例に盛り込んでいる。また、市、市民及び事業者の責務を明確にしている。

 言葉がごちゃごちやに使われ、氾濫しているなかで、言葉の定義を大事にし、そのうえで背伸びせずに、できる事を市民とともにとりくんでいる自然体の行政を八戸市で学んだ。


ホームページに戻る 視察報告メニュー