伊藤ひであきの視察報告

洲本市の挑戦は時空を超えて 2003.11.19

 神戸三ノ宮からバスで明石大橋をわたって淡路島の洲本市へ。瀬戸内海の東域に浮かぶ淡路島の中央に位置する人口42,000人の市である。

 洲本市が淡路島全体を巻き込んで取り組んでいる「ITベンチャー育成特区について」視察。
 洲本市はこれまでCATVをはじめ、CATV-インターネットや災害対応総合情報ネットワークシステム等を構築してきた経過から、すでに市内全域に市所有のCATV回線設備が敷設されており、これを第三者に貸与するには電気通信事業法で第一種電気通信事業者でなければこれを貸与でできないという制約があったのを特区申請を行い認定された。

 こうした規制の特例措置の内容については@洲本市ワイヤレスブロードバンド構想A淡路島ブロードバンドストーリーが主な柱であるが
 @地域イントラネット基盤施設整備事業A地域情報化モデル事業BオープンソースIsland構想C洲本市テンパープロジェクト事業などが目白押し。

 特にオープンソースIsland構想は今やほとんどの基本OSはブラックボックスのWindowsであることに危惧し、もっとオープンな基本OSの開発に取り組もうとするプロジェクトであり、小さな町の大きな挑戦がうかがえる。

 この陰にはきっと仕掛け人がいるはずだ。そう思ってインターネットで洲本市関連の情報を検索してすぐわかった。”平成4年9月に就任した現在の中川市長は地域情報化をキーワードとしたまちづくりをこれまで進めてきました。これは、市長自身が民間出身で、市長就任前は情報通信関連企業を経営していたことから、これからはあらゆる分野で情報化が進み、地方自治ももはやその例外ではないとの認識を強く持っていたためです。
 しかし、当時の本市には肝心の「情報」を伝えるべき基盤が何もなかったため、まずはインフラ整備から手掛けることになりました。”とあった。納得である。

 だからこそ16,000世帯の約7割がCATVに加入し、約3000世帯がインターネットに加入している情報基盤は、時空を超えた交流と果てしない可能性が広がる「大阪湾に輝く交流都市−洲本」の面目躍如たるものがある。

 隣接する津名郡五色町は10年前には「健康情報カード」で一世を風靡した地域でもあり、競い合い、連携しあって地域情報化への飽くなき意欲には敬服させられた。


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