伊藤ひであきの視察報告

姫路の環境・リサイクル経済特区について 2003.11.18

 姫路市広畑地区にある新日鉄広畑製作所ですでに行われていた廃タイヤのスチールワイヤを製鉄原料に利用する技術を開発し事業化し、やっかいものの廃タイヤを有効な資源に変えた。

 しかし、「廃掃法」では「再生利用認定制度」の対象に廃タイヤが認定されていないため製鉄原料としてタイヤの回収団体から有料で購入している。これを規制緩和で特区に認定された事で廃タイヤを廃棄物として受け入れる事でこれまでとは逆に引き取り料を徴収する事もできる。現在、全国で年間排出される廃タイヤ100万tの6%を同製鉄所が引き受けている。

 こうした環境リサイクル経済特区に認定された広畑港区一帯をリサイクル産業の拠点として経済波及効果を180億円、雇用の創出効果を330人と試算する。
 経済特区の性格上、このことの経済効果が特区で認定されれば、広く全国で規制緩和されることになり姫路市がこの分野の経済特区ではなくなる。
 「特区である限り経済効果もあるのですが・・・」姫路市の担当者は苦笑いする。

 それでも兵庫県において大消費地を擁する阪神・神戸地域(兵庫県東部)は加工組立型産業が多く立地している。それに対して、当地域が所在する播磨地域(兵庫県西部)は交番や化学原料を生成する基盤素材型産業が多く立地ししている。
 こうした地域特性を利用し、「西」の地域において構造改革特区を設定してリサイクル関連産業の集積を図ることにより、「東」の加工組立型産業で発生した廃棄物を「西」の基礎素材型産業で再利用するという資源循環型ループを構築することが可能となりゼロエミッション社会に向けた先進事例となることは明白であり、全国的なモデルになるのではないだろうか。


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