伊藤ひであきの市政報告

2003年9月 予算委員会のポイント

1.3款1項1目社会福祉総務費 次世代育成支援行動計画策定費 3,500千円について

 全国1.32 愛知1.34 豊橋1.35という合計特殊出生率の更なる低下と既婚夫婦の出生数の低下を「有史以来の未曾有の事態」と捉え、策定された「次世代育成支援対策推進法」は、10年間の時限立法で、国・地方公共団体・事業主の責務として、「行動計画」を定めることが求められています。
 自治体は、2005年から5年間の子育て支援計画(行動計画)策定が義務付けられており、より具体的な対応を迫られることになりました。

 この行動計画の策定に当たっては2003年3月、厚生労働省の研究会から出された「次世代育成支援に向けた地方公共団体における行動計画のあり方(中間報告)」かなり具体的なことにまで踏み込んでいます。。

(1)市町村行動計画の策定にあたり留意すべき事項として市町村職員自身による調査の実施を掲げている。調査票の設計や実施について、コンサルタント会社等の外部機関に委ねるのではなく、各市町村の職員が自ら参加することは、職員の意識の向上や計画策定後の施策の円滑な実施を図る上で効果的であるとしている。
 本市は3500千円の予算を組んで、コンサルに委託する。いかなる考え方か伺う。

(2)2010に向けてすでに基本構想があり、基本計画がある。
 基本構想の中では2.健康で安心して暮らせるまち(2)福祉のまちづくりBで児童、母子・父子福祉の充実、3.個性的でいきいきと暮らせるまち(1)個性かがやくまちづくりのなかでC男女共同参画社会の実現の項目などで取り上げているが、これほどの緊迫感では組み立てられていないのではないかと考えられる。
 いや、そればかりでない平成23年度に向けての豊橋市児童育成計画、22年度に向けての母子保健推進計画、青少年健全育成計画2010、男女共同参画行動計画と計画は目白押しである。それぞれに行動計画も一定示してある。
 これらの計画と今回の「次世代育成支援行動計画」との整合性とこれら計画の役割分担について伺う。

(3)301人以上の従業員を有する企業(市内には25社)にも行動計画の策定を義務付け、300人以下の事業主には行動計画の努力義務を課し、トータルで事業主に次世代育成支援対策を実施する責務を求めている。これらの事業主への啓発、サポート、フォローに対する市の役割について伺う。

(4)今後、行動計画策定委員会、その専門委員の構成、住民参加の必要性や子どもの参加などどうコーディネートしていくか、しかし、なにより大切なことは、自治体独自の理念に何を盛り込むかということです。現時点で意図することがあれば伺いたい。

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 すべての子どもの権利の尊重や子どもの最善の利益を優先し、地域の中でトータルに「子育て」を応援する視点が不可欠ではないでしょうか。子どもと大人のパートーナーシップでよりよい「子ども計画(行動計画)」をつくりたいものです。

2.8款4項2目 港湾費について

(1)三河港豊橋コンテナ埠頭建設推進協議会は発展的に三河港振興会に組織統合。6月の総会で正式決定。振興会のなかではコンテナ委員会。また蒲郡港整備促進同盟会は蒲郡地区委員会として振興会をつかさどっている。
 H9に統合された三河港、H12に三河港振興会が3市1町(当時は2市2町)で構成されて、今回の組織改変で活動強化された。

 @組織統合により今後のコンテナターミナル利用促進、ポートセールスの拡大、そしてコンテナ埠頭建設に向けどのような活動強化が図られるのか。

 A「国際自動車特区」「リサイクルポート」など可能性が広がる中で、H17の港湾計画改定も含め特定重要港湾への取り組み等を考えれば、現在の豊橋市企画部臨海整備課に間借りするような形でなく、港の真っ只中へ出て行くべきだと考えるが、どうか。

3.歳入など補正予算全般について

 今回の補正は普通交付税の振替措置としての臨時財政対策債を含めた予算計上額に対して11.4億円の超過となり、その補正。
 一方で、前年度一般会計の決算収支が明らかになってきて、歳入歳出の差引額は44.8億円。このうち翌年度へ繰越すべき財源(繰越明許など)4億6050万円を差し引いた実質収支は40億2432万円となり、その1/2を下らない金額20億2000万円を財政調整基金へ繰り入れる。(財政調整基金はH14末で115億円、今回の20億円で135億円。H15当初予算で財政調整基金繰入金34億2000万円を計上)。

 これらは、すでに6月補正で説明があった通りで、繰越金としての補正財源は当初予算の計上分2億円、6月補正の42,000千円を差し引くと17億6232万円がある。
 それで、普通交付税の超過分11億円余、繰越財源の18億円弱、合計29億円。これらを背景に保育所園舎耐震補強工事費を借入れでなく、補助金で出すよ。消防活動機材、強化ガラス等整備工事費などを前倒しで整備し、併せて3.6億円の繰上げ償還を行う補正予算となっている。

(1)地方交付税論議が盛んな中で当初予算よりも11億円、前年度より19億円、13年度より20億円多くいただけることになった。逆に国から見れば、地方財政計画が地方交付税の2年分以上の40兆円近い借入金残高を抱えて借金財政で破綻している中でも財源の均衡化と財源の保障という地方交付税制度のありがたい目的に沿って「もらい得」。としていいのかどうか、認識を伺いたい。

(2)昨年度と比べ基準財政需要額が5億減り、基準財政収入額が25億減り、その差すなわち交付基準額は3.5億減って、普通交付税は4億円減ったのに、臨時財政対策債が23.5億増えて、昨年度より19.4億円増えた。平成15年度全体の臨時財政対策債振替額は24,563億円で、対前年比80.5%と大幅に増加している。
 いうまでもなく、臨時財政対策債は地方財源の不足に対処するために平成13年度から15年度の間、地方財政法第5条の特例債として地方公共団体において発行されるもので、その元利償還金については、翌年度以降の基準財政需要額に全額算入するとしている。
 ここには金利の二重払いも発生しているし、結局、自治体の借金を国家会計を通じて先送りしているに過ぎないので、最後は自治体にツケが回ってくる仕組み。
 臨時財政対策債が23.5億増えての108億4037万円という今年度の地方交付税のあり方をどう認識しているか伺いたい。

(3)結果として29億円余の原資を元に、9.7億円余の補正予算を組まれた。(6月補正は1.1億)。いうまでもなく地域経済の活性化が緊迫する課題。例えば景気対策の指標として解り易いのは土木費。決算を見てもH14年度は前年度比△5.2%、今年度は予算ベースで前年度比△4.4%という数字。こうした背景の中で今回、どのような政策判断で市長は補正を組まれたのか伺いたい。
 また、約18億円の繰越補正財源などから12月、3月補正の取り組みについて伺いたい。


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