伊藤ひであきの地方からの提言


心の闇を突き破れ!      2003.07.11

●本質を直視しよう
 「成績もよく、読書好きな少年だった」今朝の新聞各紙は長崎の事件で補導された中学一年生をこう形容しています。
 しかし、この12歳の少年に「心の闇」があるとすれば、その「心の闇」を軽々に想像することは私にはできない。
 いや、その少年と同じ「心の闇」が「私にも厳然とあるのではないのか」という思いのほうが強い。しかし、またその心の闇に自ら挑戦して、「それに打ち勝つ無限の力」が私の、いやすべての人間の命の中には厳然とあることも確信したい。

 事件を起こした12歳の少年については私は何も知らない。しかし、私と同じように何も知らないであろうと思われる人たちが安易に児童心理学の権威だとか、少年法の権威だとかの肩書きで、メディアに登場し、そして「そもそも・・」と説く
 多くの少年犯罪が起きるたびに「社会のルールを順守する意識が薄い」「自己中心的で、自分の欲望や衝動を抑えることができない」「基本的なしつけの欠如」などの問題が議論となった。
 漫画やアニメなどの暴力・残酷シーンに慣れ、バーチャルリアリティー(仮想現実)との区別もつかなくなったことも懸念されてきた。だが、いっこうに少年犯罪の防止につながっていない。

 問題の本質はもっと違ったところにあるのではないのか。

●闇を照らすものは何か
 何よりも、こういう時代を作ってしまった私も含めた今の大人たちの懸命な反省と総括がなされなければならないと思う。
 海外からはもっとも安全で治安のよい国と言われ、多くの新興国から希望の星とまで言われたこの国が、この10年くらいの間に一気に崩壊したことの原因とその克服が真摯に対応されていないのだ。

 また、日本人がひたすら走り続けてきて、どこかで何かを忘れてきた。その何かがとりかえせないまま、時代の闇は深く広がっていく。

 その闇を照らすものは何か。燦々と昇る太陽である。闇は晴れ、霧は霧散し、清清しい生命の躍動が始まる!時代の深い闇を破る太陽が今ほど待たれるときはない。


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