伊藤ひであきの市政報告

2002年12月定例本会議 一般質問
●一般質問第一問

議長のお許しを得て早速質問に入らせていただきます。

「Koichi Tanaka」とは誰なのか、ノーベル化学賞の受賞者の発表当日の夜、どの報道機関の記者も戸惑ったといいます。何よりも「どっきりカメラ」の番組と思ったと驚く田中さんの笑顔がさわやかな感動を与えてくれました。
 この田中さんの影に隠れた形になりましたが、豊橋で東田小学校4年生の2学期から5年生の1学期まで過ごされた小柴昌利東京大学名誉教授がノーベル物理学賞を受賞されました。豊橋市民として心からお祝い申し上げます。
 ちなみに、当時の東田尋常小学校は現在地の仁連木町ではなく、東田町字西前山にありました。私はその東田尋常小学校のグランドの上に住んでいます。

 先日、そのお祝いに東大キャンパスを訪問した早川市長に先生は子供たちへのメッセージとして「夢を大きく持ってその実現に努力しましょう」というメッセージを託されました。

 師走を迎え「失われた十年」の重苦しい閉塞感が列島全体を覆っています。それに北朝鮮による拉致被害者が子供と会えないまま年を越すのかという虚脱感が輪をかけています。年の瀬に向け多くの倒産と失業が予測されています。今、年間3万人の人が自殺します。交通事故死者の3倍です。1日80人です。今日もまたどこかで疲れた大人が自ら命を断つのです。1日80人です。

 子供が時代を映す鏡なら、今の時代の子供が夢を大きく持てるわけがありません。何不自由なく育てられたはずの子供が部屋に引きこもって学校に行きません。そういう不登校の子供が豊橋でも580人もいます。
 私が子供の頃は子供部屋がある友達などまれで、うらやましく思いました。引きこもろうにも牛小屋しかありませんでした。兄弟が多く、引きこもっていては飯にありつけませんでした。
 私たち団塊の世代は親が泥まみれ汗まみれになって働く姿を見て育ちました。「勉強して官庁か銀行、大企業に行こう」と競争でした。
 今やどこに就職したらいいのかも不透明です。テレビでは官僚の不祥事や大企業のウソが報道されます。また銀行や有名企業のリストラや倒産が伝えられます。日曜日に疲れて寝ているお父さんを見て「いい就職はこんなものか」と子供は親が期待するほど勉強しません。

 日本の政治は今や霧の踊り場です。「改革なくして成長なし」何度この言葉を聞いてきたでしょう。言い換えれば「今のように改革が中途半端だと成長はない、すなわち沈没」を意味します。政府の総合デフレ対策も地方を元気づけるメッセージなどはでてきません。

 子供たちが夢を大きく持てるような社会を作ることが政治に携わる私たちの責任です。真面目に努力する人が報われ、夢を実現できる社会に向け国から地方まで政治のありようが問われ、時代の踏ん張りどころに差しかかっています。

 こうした閉塞間の中で地方政治はどうあるべきか。多様な市民ニーズにどう応え、市民満足度をあげるのか。
 1ヵ月半のドタバタの競輪騒動は市民の目を始めて豊橋競輪場に向けさせました。戦後の焼け野原で始まった豊橋競輪は半世紀を経てどうあるべきか。
 増え続ける廃棄物の中で最終処分場の目処がたちません。これからの廃棄物行政はどうあるべきか。以下お伺いいたします。

1、時代の閉塞感の中で、これからの地方行政について

(1)第33回市民意識調査の結果では「安全性」「利便性」「快適性」などで市民の満足度低下が二年続いて過去最低であることが顕著になっています、この結果についてどう認識されているかお伺いいたします。
(2)、「市民満足度が一層高まる市役所運営をめざす」ために導入された行政評価システムの最近の取り組みとこの調査結果についてどう認識しているのかお伺いいたします。
(3)長引くデフレ不況に明かりが見えず、国も地方も厳しい財政環境の中で自立した街づくりについてどのような取り組みをしていくお考えなのかお伺いいたします。
(4)「ともに生きるまち」の構築のために市民が果たさなければならない役割についてお伺いいたします。

2.豊橋競輪事業の今後について

(1)昭和24年から実に半世紀続いた豊橋競輪の果たした役割についてどう総括されているかお伺いいたします。
(2)10月10日の市長の「本年度限りで豊橋競輪は閉鎖する」と唐突な発表を受け、11月5日に市議会環境経済委員会から示された「豊橋競輪事業の廃止表明に対する意見のまとめ」をどう検討し、どう最終判断に生かしたのかお伺いいたします。
(3)11月14日に全国競輪施工者協議会から示された支援策をどう検討したのかお伺いいたします。
(4)市長は11月26日昼までに「平成15年度は競輪事業継続」の結論をだされましたが、その判断に至った収支改善策についてお答えください。
(5)今後の豊橋競輪事業はどうなされようとしているのか、その方向づけについてお答えください。

3.最終処分場問題とこれからの廃棄物行政についてお尋ねします。

(1)杉山町での市最終処分場計画断念に至った総括についてお答えください。
(2)「容器包装リサイクル法」に基づくこの2,3年の本市の取組みと課題についてお伺いいたします。
(3)私たちが目指さなければならないのは循環型社会であり「埋立てゼロ」の街づくりであるはずです。そのためになすべきことはなにかお伺いいたします。

 以上で私の第一問といたしますが、市当局の的確な答弁をお願いいたします。


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