伊藤ひであきの市政報告

2002年12月 ●一般質問の第二問のポイント

3.これからの廃棄物行政について

 「豊橋で530運動発祥の地豊橋で、新しい530運動をおこそう」焼却炉論議の頃から提案し続けてきたことを今回も申し上げています。

 2年前の3月議会でも「これからの豊橋のごみ行政は、ごみゼロの輝かしい歴史があって、5分別から6分別の歴史があるわけですから、埋立てゼロに向かうべきだと私は思いますが、どうでしょうか」とお尋ねしました。
 市長は「これはゼロエミッション問題そのものになるわけでございまして、不断にそういう方向を求めていきたいと思っております」と答えられました。

 杉山町でこの5年間、最終処分場を作ろうと取り組まれてきた。しかし、挫折した。 このことを契機に「市長、もう最終処分場を他に求めて作ろうとすることをやめませんか。そして、文字通り530の街を作りませんか。今までの530は「自分のゴミは自分で持って帰ろう」というゴミの移動でした。
 これからの新530は、循環型社会そのものです。ゼロエミッションです。それをこの豊橋に具体化し、市民とともに埋立て処分場のいらない街を作りましょうと申し上げたいのです。この事に市長は全く賛成していただけると思いますが、どうやって進めるかであります。

 同じように最終処分場問題で揺れた多治見市(人口10万人)では「反対だけではエゴだ」と市民が立ち上がり「処分場のいらない社会作りをめざそう」と23分類に取り組んでいます。

 (1)今、高塚町の最終処分場には2週間に1回、各家庭から排出される「燃やせないゴミ」が年間8000tから9000t運び込まれています。比重0.6で計算して15000リュウベ。埋立てれるキャパは6万リュウベだから後4年、平成19年まではということになっています。だから、この埋立て量を半分にすれば8年、さらに半分にすれば16年ということになります。

 先日、埋立てられているものは何かを処分場で検証してみました。
 鍋、ヤカンなどの金属類が30%、布類が10〜15%、レンガ、コンクリート、陶器類が15%。これらが上位です。この上位三品目を埋立場に持っていかないことができれば、これで約60%埋立て減量できることになります。

 それで、現在の「燃やせないごみ」を「金属類」、「布類」、「陶器類」の三つ、即ち現在の6分別から8分別にできないかという事です。
 そして、金属類は資源化し、布類はリサイクルし、陶器類は破砕し、資材に使えばいい。
  当局の考え方を伺いたい。その場合の問題点、課題も併せて伺いたい。

(2)処分場には年間6200tのプラスチックが運び込まれ、破砕機にかけられ埋立てられています。毎週水曜日に集められたプラスチック類が答弁にあるように一部中間処理していますが、実は9割は埋立てられている実態があります。(この事は施設見学会で資源化センターの新焼却炉を見学する前のレクチャーで広報公聴課職員が実にわかりやすゴミ問題を説明されている中でも知らされているので、申し上げるのですが)
 これを全量リサイクルに向けるためには東部環境センターで行っているような中間処理が必要になります。中間処理して圧縮されたプラスチックのうち500tは鉱炉の還元剤に使われます。
 引き取り費用は豊橋市が負担しています。t当り6560円。500tで328万円。もしも、市内スティションで集められているプラスチック全て4200tを全部引き取ってもらったら2800万円かかることになります。埋立られているものの20%がプラスチックですから、この事により埋立の80%がリサイクルされることになります。

 折角、市民の協力を得て出していただいているプラスチック類の全量リサイクルに向けた取り組みの可能性とその課題、問題点を伺いたい。

(3)容器包装リサイクル法との関係です。例えばペットボトルを処理していますがt当たり約25万円かかっています。そのうち豊橋市負担分は約17万円、事業者負担分は約8万円という計算になります。全体で650t処理していますので162,500千円かかっています。もっと集めれば、もっと費用がかかります。
 真面目に取り組めば取り組むほど地方自治体の負担が増大する。ゆえに、プラスチックごみは自治体の最大の悩みです。「市民に混乱が出る」(広島市)「自治体の負担が大きすぎる」(川崎市)「容器はかさばる回収車で空気を運んでいるようなもの。金がかかって仕方ない」(大阪市)などの理由で二の足を踏み、取り組んでいる自治体は3割という実態。7割は燃えるゴミとして燃やすか、燃やせないゴミとして埋立てられています。

 平成12年5月制定の「循環型社会推進基本法」では拡大生産者責任が規定され、「容器包装リサイクル法」においても「拡大生産者責任」と「発生抑制」がうたわれています。が残念ながら、ペットボトルは発生抑制どころか、毎年10%伸びています。
 こんな馬鹿なことがあるでしょうか。法の枠組みを変えなければリサイクル社会は望むべくもありません。

 答弁にあったような「市民には環境に優しく、本当に必要なものを選び、必要なときに必要な量だけ求め、捨てずに排出せず、シンプルであるものの心満ち足りた生活様式」などとおっしゃいますが、禅問答をしているような事を繰り返していても何も進みません。
 それでも、自治体が取り組むとしたら、川上を押さえる意外にありません。極端なことを言えば、例えばペットボトルを追放することです。ついでにジュースの自動販売機を追放することです。それくらいでないと地方財政はゴミでつぶされます。

 「ごみゼロ社会」へのアプローチを具体的にお聞かせください。

(4)「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」では廃棄物発電が位置づけられているのですが、「容器包装リサイクル法」では「サーマルリサイクル」は位置づけられていないので、ここの仕組みが変われば、新焼却炉で処理して、発電、余熱にリサイクルできます。
 例えばペットボトルを容器包装リサイクル法に基づき中間処理するとt当たり47,000円かかりますが、焼却費用は施設減価償却を含めてもt当たり14,000円で約3倍の費用がかかっていることになります。

 逼迫する最終処分場への負荷軽減を図る意味からも、焼却施設の安全・安定稼動を図りながらサーマルリサイクルを国に検討するよう働きかけることが必要と考えますが、当局の考え方を伺いたい。


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