伊藤ひであきの市政報告

2002年9月定例本会議 一般質問
2002年9月 ●一般質問第三問
**** 9/1 これは第二問の答弁内容と時間に拠る***

 時代は急速に動いている。政府の経済財政諮問会議が打ち出している地方制度改革は、信州騒動で話題になった「政官業の癒着の打破」「脱ダムは是か非か」というレベルをはるかに超えた構造改革を、自治体に求めている。

 補助金と交付税を減らし、国から地方へ税源を移すこの改革で、多くの自治体は移譲される税額よりカットされる補助金や交付税額のほうが大きいと考えられる。財源全体は増えず、歳出の大幅圧縮を迫られる。

 しかも、増税をしない以上、この方法を拒めば、自治体が自由に使える財源を増やす分権改革はいつまでも実現しないことになる。「国が何とかするだろう」と期待してきた時代は終わり、自分たちの地域をどう作るかという地域の自発力が問われる。

 当然この事は、地域の雇用や地域経済の活性化という分野にも及び、自分たちの力で雇用を創出し、守っていかなければならない。

 地方分権で重要なキーワードは住民自治。介護保険はこの点で保険料もサービス水準も隣接市町村とは違う。第一号保険料や上乗せ、横だしサービスなどの設定を市町村の決定に委ねているだけに、住民の意思を反映させやすい。その第二期介護事業が始まろうとしている。

 こうみてくると、来年度予算編成にあたって取り上げた地方財政改革の動きも、雇用・景気対策も、また第3問で取り上げた経済特区も都市エリア産学官連携事業も知恵と創意工夫を競う自立した地域間競争の時代に入ったという事を如実に示している。

 @こうした地方政治の新しい段階にあたって、住民と情報を共有し、自治体の財政構造を再建する経営能力、そして、住民、議会、国、県との交渉力が地方のリーダーに必要なことが実績を積み始めた何人かの知事を見る限りいえるのではないか。
 改革の時代、地域間競争の時代に市長は、雇用・景気・介護保険・構造改革特区・産学官連携事業をどう捉え、市民に改革の痛みの分かち合いを求めながら、自立した地域づくりに向かおうとしているのか改めて確認しておきたい。

 Aまた地震対策にもう一点。昨日の総合防災訓練をつぶさにみながら考えたのですが、東海地震の大枠を定めた大規模地震対策特別措置法(大震法)は地震の予知が可能で、判定会が招集され、警戒宣言が発令されることが前提にできあがっています。

 カギを握る「2―3日以内に発生」という直前の地震予知は、本当に可能なのだろうか。旧文部省の測地学審議会は97年、「現状で予知は困難」との報告をまとめ、今年3月の報告は「東海地震を除き」と一部修正したが、社会活動を規制するような地震警報が出せるという見方に懐疑的な専門家が多くなっている。

 予知ができれば、これに越したことはない。だが、現在の科学技術の水準では、可能な場合は極めて限られるという事実を謙虚に受け止める必要があるだろう。それを踏まえ、不意打ちでも被害を少なくするため、建築物の耐震性強化と地震に強い街づくりが肝要ではないか。

 小中学校の耐震強化や震災マップはそのためにも必要であるが、10月までに作る地震強化計画や見直し作業を進めている市地域防災計画ではこの視点が不可欠ではないかと考えるがどうか。

 B三河市構想について、論議させていただいた。このことが構造改革の動き、地方分権の流れ、周辺市町村の動きだけでとらえれば、そのような答弁でいいかもしれない。

 しかし、2年前の市長の選挙公約で明確に言葉で表現している以上、その実現に向けた取組みは当然なされなければならない。
 「脱ダム」を掲げた田中知事が「脱ダム県政」を行おうとしたのは当然のことで、それに議会が不信任を決議し、11億円も使う知事選挙が行われた。進め方、説明責任、代替案、具体策などの手法は別として公約というのはそういうもののはずです。

 市長の任期も折り返し点であと2年、どのような考えとタイミングで道筋をつけようとしておられるのか明確にしていただきたい。
 また、そのための前段階として庁内の内部組織をもう一歩踏み出して、広域行政を中核市の責任と役割として明確に位置づけるために広域行政推進室を設置したらどうか、伺いたい。


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