伊藤ひであきの市政報告

2002年3月議会 本会議一般質問 第一問

第一問

 議長のお許しを得て、通告に従い順次一般質問をさせていただきます。
今年もまた大手生命保険会社が「サラリーマン川柳コンクール」の入選作100編を発表しました。
15回目の今回は、不景気で一段と進む人減らしなどの庶民の痛みを表現した作品が目立ったということです。その作品から質問を始めます。

「介護より 解雇が先に 来て寝込み」それでも気を取り直して「あちこちと 渡る面接 鬼ばかり」。
 そして商店街を歩けば「呼び込みの 声だけ響く 商店街」を通って、家に向かってとぼとぼ歩けば、「知らぬ間に 右肩下がる 癖がつき」、やっとたどり着くと「もう寝たか ママは寝たよと 子が返事」。せめてパソコンだけはと机に向かうが「ぎこちなく マウス動かし 五十肩」、怒りがこみ上げて「経営者 リストラするまで 何してた」と叫んでも虚しいばかり、「国民に しわ寄せよりも 幸せを」と切実な庶民の思いが伝わってきます。

 21世紀は想像をはるかに超えた激変期、激動期のなかで2年目を迎え、未曾有のデフレ社会が庶民を直撃し、中小企業で成り立つ地方経済を根底から揺さぶっています。

 豊橋商工会議所が発行する「ニューボイス」2月号によれば、平成13年度 第3四半期(10〜12月)の景気動向調査があり、この地域の経済指標としてかなり正確なデータが載っています。

 そこでは、一段と厳しさが増し、地域経済の深刻さが伺えます。製造業では自動車関連以外は極めて厳しく、受注コストは低下し、原価割れ寸前との声も寄せられえています。建設業は大幅に悪化し、収益面で厳しい状況にあることがわかります。この業界は、秋ごろから忙しくなって年度末にかけて寒風の中で仕事をこなし、仕事量と利益を確保するのがこの業界のスタイルだったはずです。この期間に景況感が悪化しているのにはため息が出ます。
 卸売業、小売業、サービス業ともに大きく下落しています。かろうじて運輸業は上向いていますが、行く手にはNox問題が待ち構えています。
 商業分野で象徴的なニュースが流れています。豊橋駅内のカルミアでは東京デズニーランド系列のグッズ店が撤退、豊橋を代表する百貨店では50人近くのリストラをこの春断行するということです。

 豊橋ではこの5年間に436店舗、年間87店舗が閉店し、そのあおりで2000人がリストラを余儀なくされている実態があります。

 一方、農業はBSE問題、産地ごまかしシール、品質うそシールにより停滞感は厳しく、さらに豊橋の代表的農産物であるネギ類、ブロッコリー、スィートコーン、大根などは中国から前年比20%以上の伸びで日本に入ってきています。

 そうしたなかで本市においては第4次基本構想・基本計画に掲げた主要施策の推進を基本に新年度予算が編成されましたが、吹き荒れる逆風の中で、改めて街づくりの基本的な認識と対応を市長にお伺いいたします。

(1)農工商のバランスが取れた産業発展が豊橋産業の特徴でありましたが、長引く不況で元気をなくし、しかめっ面となり下向いて歩みが遅くなってきました。その中で市長は市民の「笑顔」がつながる「緑とひとのまち豊橋」へどのように取り組んでいくのか伺いたい。

(2)中心市街地活性化に向けて、市民病院跡地のこども関連施設などへの取組み、そしてまた豊橋東口駅南地区での総合文化学習センターと民間商業施設を中心とした市街地再開発事業への取り組みは公共が行う切り札として注目されますが、果たしてそれは地域特性を反映したものかどうか検証する必要があります。この取り組みについて基本的な考え方を伺いたい。

(3)この2月1日から改正道路運送法が施工され、路線バスの規制緩和策が打ち出され、市場原理にのっとり赤字路線の撤退は許可制から事前届出制、また生活路線の維持には地方自治体が主体的な役割を果たすなど転換期にある路線バスの今後への対応と環境にやさしく有効な公共交通機関として再評価されてきた路面電車活性化への取組みによるまちなかモビリティについて考え方を伺いたい。

(4)基本構想にのっとり長年の懸案であった総合スポーツ公園構想がプール棟の建設などで具体化に踏み出そうとしています。しかし、その構想は10年以上前の右肩上がりの時代の構想であり、激変する社会状況の中で検証しなおす必要があります。また豊橋公園の全体整備とのリンクについても検討しなければなりません。この考え方を伺いたい。

(5)様々な経過を経て、530の街−豊橋で、いよいよ世界最大の熱分解高温燃焼溶融路すなわち次世代型焼却炉がこの4月から稼動することになります。約180億円かけた大プロジェクトはこれからが始まりです。また、焼却炉論議に加わり、その論議のなかで豊橋環境村を提案させていただいた一人として、周辺一帯のエコビレッジ構想は21世紀豊橋を象徴するプロジェクトです。市長はこれらへの取組みにいかなる決意で向かい、豊橋を環境文化都市を構築しようとしているのか伺いたい。

(6)自治体が先導する形で日本各地の地域情報化は急テンポで進んでいます。そこにまた新たな地域格差も生まれています。インターネットの市民への普及も急ピッチです。庁舎の中も職員1人にパソコン1台時代に入りました。しかし、これらの取組みは市民サービスの向上に向けたものでなければなりません。そのための電子市役所への取組みについて伺いたい。


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