伊藤ひであきの視察報告

● 木曽川で大ヒット−環境楽園 ● 2000.11.15

 名神高速道路を西へ。一宮インターを過ぎてすぐ、左側に車線をとって東海北陸自動車道に入る。「下呂・高山」方面へ向かう。一宮西IC、尾西IC、一宮木曽川ICと10分ほど走ると、左側にハイウェイオアシス川島が見えてくる。ここがオアシスパーク「環境楽園」である。日本初の環境共生型パークと言うふれ込みです。

 先の9月議会で私は以下のような論議展開を行った。
「エコビレッジ構想については基本構想策定に向け、既に基本構想策定調査報告書が発表になっているが、展開するエリアは余熱供給距離から新資源化センターを中心に半径2km範囲内としている。
 一方で、機能配置や国道23号バイパスなどからの円滑なアクセス、民間による事業運営などを考慮にすれば、国道23号バイパスの「道の駅」の誘致を前提とし、ワン・ストップで連携・一体型の機能配置・施設整備が考えられるが提案しておきたい。

 一宮JCから東海北陸自動車道にはいるとすぐ川島パーキングエリアがある。5haという広大な木曽川河川敷に、環境共生型パーク「河川環境楽園」として整備され昨春、開園した。自然と触れ合う水辺の夢空間と高速道路の憩いのオアシスとも連携し多くの市民に利用されている。セガエンタープライズが進出し、国と県、道路公団などのお金を有効に使っている。東海地方で人が集まるベスト3、多いに学ぶべきである。」と。この提案を行うために、今年7月初めて訪れたが、今回は市議団で視察となった。

 全体計画54.5haの広大な面積である。国営公園エリアが33.6ha、県営公園エリアが4.4ha、日本道路公団の川島PA(パーキングエリア)部分が3ha、建設省土木研究所エリアが13.5haと複合である。複合を連動させたのは建設省が重点施策として整備を進める高速道路のサービスエリア、パーキングエリアと都市公園とを一体的に整備する「ハイウェイオアシス事業」であり、このため建設が進む第二東名高速道で多く採用される予定で、関係機関、関係自治体からの視察が絶えないと言う。

 この環境楽園の構想は20年前の東海三県知事会議で「木曽三川公園をもっと上流に」という構想が岐阜県知事から発表になってからである。木曽三川とは木曽川、長良川、揖斐川である。この三つの川と共に歩んだ美濃尾張の歴史は「水との戦い」の歴史でもある。三川を「美川」と言い換えて「柳瀬ブルース」をヒットさせたのは美川憲一である。

 実現までの20年、多くの先人達が関係機関に働きかけ、岐阜県ならではの熱意の結晶でもある。 また、役所が作った公園でなく、民間主役の、民活先導の施設である。例えば県営公園部分を管理・運営する(株)オアシスパークなどはセガエンタープライズを筆頭に民間企業11社と、岐阜県そして地元四町が出資している。
 よって、この公園は年中無休、夜12時まで営業と民間主導型ならではの運営。水中探検レストランもユニークで魚や水中映像を楽しみながら食事をする事ができる。夜は若いカップルに好評だと言う。
 川島パーキングエリア内の商業施設も建設省道路局長通達の改正により、従来の(財)道路施設協会に加え第三セクターの専用が認められた全国初のケースでもある。

 また、国営公園(木曽川水園)は木曽川が育んだ川の自然や風土・文化を遊びながら学ぶ事のできる参加体験型の従来にない”場”を提供している。棚田や水車などの田園景観にマッチした農家では地元老人クラブの人達がボランティアでいろりを囲み、この地域の昔話などを語る。
 訪れる子供たちには様々なプログラムが用意されていて、木曽川の石を拾ってきて、自由に石に絵を描くとか、水遊び、舟遊び、茶摘みなどの季節イベントが楽しめる。

 もう一つ特徴的なのは、世界的に注目を集める「自然共生研究センター」である。建設省河川局のつくば研究所の出先機関という位置づけで、800mの実験河川が三本あり、実験池とも連動し、河川の流量変動と生態系の関係を検証しようとしている。世界各地からこの実験場を訪れる人も多い。豊橋市助役の寺本和子女史がこの研究に勤しんでおり、その名前が出た時は嬉しかった。

 昨年4月から準じオープン、供用開始されてきて1年間で312万人が訪れ、長島スーパーランド、ナゴヤドームに次ぐ集客施設となっていて、テレビの「旅番組」などで紹介される機会が多く、宣伝費も不要。
 地元、川島町は第三セクター・(株)オアシスパークに900万円出資しているが、この公園の雇用が60人、地元商工会員による特産物開発やイベント開催など町長が先頭に立ち、「町おこし」の核となっている。
 現在も、工事は行われていて「早く淡水魚水族館を」という声も強く、三菱商事が核となり検討中。

 高速道PAにできた「環境楽園」。暗いニュースの中で久々にヒット作品にであった。

 視察に際し川島町企画調整課稲川課長補佐に雨の中、大変お世話になりました。ありがとうございました。


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