伊藤ひであきの市政報告

2000年3月定例市議会 「豊橋の介護保険について」2000.03.07

 さる、3月7日に行った3月定例市議会代表質問で取り上げた項目のうち、「豊橋の介護保険」についてその質問と答弁の経過をお伝えします。
第一問質問要旨

1.新年度予算編成と重要課題について市長に伺いたい。
(3)豊橋市介護保険の力点はどこにあり、どのような介護地域を作ろうとしているのか伺いたい。

 第一問 答弁趣旨 市長

 介護保険の力点でありますが、先に国が定めた介護保険法の円滑な導入のための特別策を受け、保険料の軽減や訪問介護の利用者負担の軽減に加え、更に市独自に訪問介護の利用者負担の軽減などの充実を図っております。

 また、現在、ホームヘルプサービスやデイサービスを利用している方が、要介護認定の結果、自立と認定された方などに対しても、従来どおり一定のサービスが利用できるよう配慮しております。

 目標とする介護地域でありますが、要介護者とならないための介護予防、健康づくり、生きがい活動支援などを展開する中で、豊橋で長生きしてよかったと言われますように、高齢者が健康で生きがいを持ち、安心して生活できる地域社会の構築に向け取り組んでいきたいと考えております。

第二問 質問趣旨

@介護保険は老人保健に比べ公費負担を増やし、各保険からの供出金を保険料とする事で、市町村のリスクを軽減し、財政的により受け入れやすい制度になった。所が実施間際になって様々な問題が噴出している。当然の事だが、全国3200の自治体を満足させる事は困難である。事業費の増大さとそれに伴う保険料の増額によって、介護保険制度は破綻する事につながりかねない。負担と給付。このバランスと更に豊橋の地域性、そして地方分権の実践第一号、これらをどのように整理したのか。

A高知市は国民健康保険に加入する第二号被保険者が支払う保険料を、第一号被保険者に準じて軽減する方針を打ち出した。この事に厚生省は「あくまでも高知市の判断であり、地方分権で独自の負担と給付が設定される中で認められている」と容認している。豊橋市は介護保険分として課税限度額7万円を設定している。この政策判断を聞きたい。

B要介護認定で明確になってきた事は、介護料という概念と状態像という概念、また医学的視点と介護の現場の実態のずれである。また個人的事情、社会的事情を抜きにしては的確な判定ができない。それだけに介護の質を確保し、介護サービスの実態を監視するための体制は不可欠である。特に要介護者は痴呆や寝たきりの高齢者である。これらにどのように対応し公平で円滑な運用をめざすのか。

C福祉教育委員会で問題にした、高齢者人口と6段階の出現率。これは初めての事であり、一定の物差しが必要であると言う点からは理解できても、現場と違った設定で介護保険がスタートする訳である。それだけに、4月からの介護実践の中で要介護者の介護度、個人情報、身体的機能情報やどんな要介護者にどんな介護サービスを提供して、どのような成果が上がったのかを丁寧にデータベース化していく努力が必要である。そのための介護情報支援センター機能を確立する必要がある。精度の高いデータベースの構築は介護保険の運用の必須条件である。この認識と対応を聞きたい。


 第二問 答弁趣旨 市長

 負担と給付の問題でございますが、この介護保険料の負担は、基盤整備が充実している場合には給付が伸びて保険料が高くなるということになります。また、例えばサービス種目を増やし、検出しサービスを介護保険で行う、あるいは法定サービスのサービス回数などに上乗せをした場合にも、サービス給付に要する経賛は原則として第1号被保険者の保険料によって賄われるために、保険料のアップにつながります。新たな負担を65歳以上の高齢者に求めるという結果になるわけでございます。従いまして、市といたしましては、この負担と給付につきまして、法定給付を介護保険で行い、それ以外を高齢者施策で行うことといたしまして、過度の介護保険料の高騰を抑えることにいたしたわけでございます。

 そこで、本市の地域性についてでございますが、要介護と認定されても、現在ホームヘルプサービスを利用されている高齢者の方のほとんどが無料であるわけでございまして、そういったことから、低所得者に対して国の基準を上回る負担の軽減、更には自立者に対しても独居世帯などで自立した生活が困難な方へのホームヘルプサービスの自立支援や負担の激変緩和の観点から、経過的に特別の措置を講じこれら介護予防、生活支援策等を高齢者施策で実施するととによりまして、従来の在宅サービスの水準を維持すべく、高齢者の方々が安心して自立した生活が送れるように対応を図っているものでございます。

 次に、介護保険分の課税限度額設定についてでございますが、限度額設定に当たりましては、保険税の公平負担、これと相反する担税力に見合った応分の負担等々検討いたしましたが、法律の趣旨にのっとり、地方税法で認められている最高額7万円に設定をさせていただきました。

 なお、新聞紙上等で、また先はど御紹介がございました高知市等における自治体としての介護保険料の独自の減免につきましては、本市としましても従来からの医療分、国保税と同様に低所得者について一定の減免措置を実施してまいります。また、介護保険はスタートの年でもありますので、事業の進行を見て制度についての点検をしてみたいと考えております。

○田蔦福祉保健部長  それでは、介護保険絡みで2点ばかり残された部分がありますので、私からお答えさせていただきます。  まず、1点の公平で円滑な運用ということ、ケイコさんとかミドリさんの例で言われたわけでございます けれども、要はケイコさんの例でも、一つ言えることは、これだけは申し上げておきますが、ショートスティのお話だとか入浴のお話がありましたけれども、一般的には、それぞれの介護サービスについてはそれぞれの階層の利用限度額の範囲内であれば柔軟に対応できるという御認識を持っていただいていていいんですが、ショートステイに限っては一応限度があったわけでございますが、この2月になりまして、2月10日にこの利用限度額を増やそうという形で告示されまして、倍増という形になりましたので、ショートステイについてはかなり膨らんできている、制限されているものは。そういうことになっております。ただ、半年先がということのようでございますけれども、いずれにいたしましても、その利用限度額の範囲の中でそれぞれのメニューそれぞれの事業者の中のメニューの受け皿の問題もありますけれども、その範囲内の中でケアマネージャーと利用者がケアブランを立てていただければいいということでございますので、そのように御理解をいただきたい。

 監視の問題も言われましたけれども、これらにつきましても今後、ケアマネージャーともいろいろよく賢 密な連絡調整をしていく中で、またケアマネージャーはマネージャーとして自分のお客さんのケアブランに 対しては追跡調査をするということにもなっておりますので、そういう中でいろいろな情報交換をしていき ながら、できるだけ監視という面をしっかりしていくことが必要だというように思っております。

 それから、2点目といたしまして、データベースの問題のお話がありました。これにつきましては、現在、私どもといたしましてデータベースとして持っているものとしては、御案内だと思いますが、住所だとか氏名だとか、それから介護状懸だとか、それから保険給付、保険料の問題とか、そういうようなものはあるわけですが、ただ個々のケアブランが、AさんならAさんのケアブランはどういう中身でどういうようになっているかというものについてのデータ処理というものはされておりません。従って、これらについては、やはり本市の方に、事業者に届くのは2か月先なんですね。では、それを入力することによってどれだけの今後の介護保険事業にメリットとして反映されるかという問題もありますので、そこら辺については今後いろいろな面で検討していく必要があるなと。できるだけやはり御指摘のようにわれわれも介護保険事業を実施していく上には、よりよい介護事業というものを展開していくことについては当然努めていかなければならんことでございますので、御指摘のデータ処理の問題、データベースの問題については今後の勉強課題ということで、それぞれ実施していく中で検討していきたいというように思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 介護保険のデータベースについて答弁がございました。勘、コツ、経験だけで本当にこれが乗り切れるかと私は思いたくありません。そういう面では、コンピュータの学習機能を使えばやはり一定のものが一定のデータベースとしてできていくと思っておりますので、ぜひとも検討していただきたい。

 それから、介護保険が始まって一段落したら、恐らくもう一度市民のところへ行って説明会をやられると思いますけれども、わかりやすくやっていただきたい。楽しくやっていただきたい。去年のあの説明会は、初めてのことで非常に顔が強張っていておもしろくない。だから、文部省推薦のビデオを使うんではなくて、吉本興業がつくった介護ビデオを使っていただきたい。できたら、介護保険課でグループを組んで、「寝たきりになった水戸黄門」というタイトルで演劇をやっていただきたい。聞くのはおじいさん、おばあさんなんです。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。これからの介護保険課に必要なのは笑顔と芸だと私は思っています。


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