伊藤ひであきの現場報告 豊橋の鳥インフルG
現場の苦悩、市議会へ、県・国へ(3/27)

●深刻な生産現場

 3月24日、ウズラ農場の経営者を始め生産現場の皆さんが、豊橋市議会へ。

 あるウズラ産業経営者は、2月27日の発症の情報と同時に、出荷自主停止と生産者の卵集荷を止め。その後、ウズラ卵の生産委託している農場が相次いで移動禁止枠内になり、30名程の従業員を休ませたままになっている。3農場のたまごは、600万個程になりその処理に困っているし、糞の処理にも規制がありプレコンパックを使用するため、その移動に重機をリース費用などが重くのしかかる。
 卵が売れないのに高い飼料代金、パートなどの雇用代金は当然支払わなければならない・・怒りにもとれる嘆きは深刻。

 また、経営再開にあたり何故ウズラだけが発症したのか、本当にウイルスが変異し人に害をあたえるのか今後の対応をきちんと究明してほしい。

 そして、資源化センターで始まった焼却処分も1日5tの焼却では70万羽以上の鶉と卵の処理に何日掛かるのか、焼却するなら農水省が本病対策として組立型移動式焼却炉を用意しているのに、何故使用しないのかとも。

●県知事、そして農水大臣へ要望内容決まる

 3月26日、豊橋市議会最終日、各会派の討論の中で、議案に賛成であれ反対であれ、「豊橋のウズラを守れ」という主旨の要請がなされた。

 新年度予算の議決がなされ、最後に5通の意見書が提案され、採択された。その中には「高病原性鳥インフルエンザ緊急対策に関する意見書があり、1.ウィルス確認検査の迅速化や家きん別の感染研究の充実などの防疫体制の強化、2.風評被害防止に対策に万全を期せ、3.経営支援対策などの措置を強く要望している。

 また、27日に県知事へ、そして31日には農水大臣に市議会としての要望書を直接、提出ことになり、各派代表協議会などでその内容が確定した。

 「今後の防疫対応についてや、家きん農家等に対する支援を強化すること、風評被害等の防止に向けた指導を徹底すること、発生に伴い、本市が実施した諸対策に要した経費について、十分な財政措置を講じること」などを挙げ、農林水産大臣、愛知県知事に豊橋市議会議長 大沢初男名で要請する。

 豊橋市で高病原性鳥インフルエンザの感染が判明してから、一か月。感染の有無を調べる検査も続き、終息はまだ見通せない。豊橋で飼育する300万羽の半数近くの124万羽を殺処分したことになるが、「全国一のウズラ産地の再生の扉は閉ざされたままである。

 以上、現場からの第8報です。