伊藤ひであきの市政報告

88年3月定例本会議 で提案した「行政にQC手法を!」議事録

 現基本構想の産業振興策についていろいろな御説明がありましたけれども、昭和54年1月1日の各紙の一般紙、あるいは55年1月1日の各朝日、毎日、読売等の一般紙のどこを見ても、10年後に実質成長率あるいは通産省の鉱工業生産指数が3倍になるなんてことは書いてないわけでありますけれども、これが当時のそうした高度経済成長の、まだ慣性が続いている時代の1つの指標としてとらえられたということであれば、それはそれとしてまた結構な目標であったとは思うわけでありますけれども、ただ私自身がお話ししたいのは、努力目標だからあるいは基本構想だから30%ぐらいの達成率でも許されると考えられるなら、その甘さこそ断じて排除していかなければ、産業の振興イコール豊橋市の活性化なんていうことば、ビジョンと構想だけで何の芽も花も咲かないのではないかと思うわけであります。

 ちょうど54年の暮れにこの現基本構想が策定されたわけでありますけども、このころから企業は全社的に方針管理とか総合品質管理という手法を導入して、長引く円高不況の中で生き抜く道を真剣になって考えました。

あれから8年たってほとんどの企業がこの手法を定着させて、企業方針あるいは企業目標を経済的に、また最も効率よく達成するための管理手法として定着させました。
 「企業と行政は違う」という意見があるかもしれませんけども、違うなら違うなりに、やはり企業に学ぶべき点は学んでいくという姿勢も必要ではないかと思うわけであります。

 その基本となるのは、いわゆる「プラン、ドゥー、チェック、アクション」のPDCAでありますけども、最近では観光ホテルの板前さんたちが、あったかい茶碗蒸しをたくさんの団体さんに一度に出すにはどうしたらいいかといって自分たちの料理の仕組みを改善する。
 あるいはゴルフ場のキャディーさんたちが、13番ホールのロストボールが非常に多いというデータから統計をとって、どこの位置でお客様のショットを見ておればロストボールが少なくなるか、こういう工夫をいろいろやっている。これもQC手法の考え方であります。

 プラン、計画を立てるときに重要なことは2つあります。1つは目標を決めること、もう1つは方法を決めること。目標だけ決めて、方法・具体的な方策があいまいな計画を「プランプラン」という、こういうことであります。

 ドゥー、実施するに当たって大事なことが2つあります。仕事のやり方を周知徹底させるための教育訓練と、決められた計画どおりに実施することの2つが重要であります。どちらかが欠けるとこの計画は「堂々めぐり」を繰り返します。

 私は議員にならせていただいてこの基本構想を見、また今までの議会質疑をいろいろお聞きする中で、この基本構想に盛られている産業振興策こそプランプランの堂々めぐりの典型であると言わせていただきたい。

 企業の論理だとか、こうした総合品質管理の手法についてはまたいろいろな批判もありましょうが、次期基本構想策定に当たって、こうした方針管理、総合品質管理を導入されるよう提案しますが、いかがでしょう。

 この提案に当時の企画部長(水野敬之氏)は以下のように答えている。

 「ご提案の企業のPDCAについてのお話がありましたが、それらにつきましても一定の参考という形で勉強はして参りたいと考えておる次第でございます」と答えている。


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