伊藤ひであきの地方からの提言


年金パニックの本質!

●国民を踏みにじる政治のきわみ

 日本の人口の3倍−3億件もの基礎年金番号を10年前に名寄せし、突き合わせて(これを国会では突合《ついごう》というから分かりにくくなる)したときに整理できずに残ってしまった年金記録が5000万件あった−のであって年金が消えたわけではありません。
 しかし、年金不安は将来不安だけでなく、政治不信、そして国家不信につながっていく危険性をはらんでいます。この「不信の連鎖」をどう断ち切っていくのか。もはや、政治の総力を挙げて「安心できる年金」に信頼回復していかなければ、日本はモラルを失い、社会規範が混乱し、とめどもなく落ちていく道をたどることになります。

 自民党本部に社会保険庁の村瀬長官(彼は野球部、私はサッカー部でともに岐阜県立大垣北高校で青春の汗を流した同窓の友、ニュースにでてくる彼の苦渋の顔が辛い)がよばれ、年金記録不備問題がおきた原因の最たるものは「やる気ない態勢が一因」と認めた。
 優秀だといわれた日本の官僚機構が、お役所仕事とリンクして、かくもいい加減に、かくも無残に、真面目にコツコツと保険料を納めた国民を踏みにじるような結果が浮き彫りになりました。
 「理念なき日本の政治、哲学なき日本の政治」が、いまや年金問題に象徴的に現れています。「国民のため」という言葉を政治に携わるものの全人格で具体化できる政治しか国民の信頼を得ることはできないのです。

 昭和39年に公明党が結党されたのはまさにこの一点にあります。私たちのいう「大衆と共に戦い、大衆と共に死んでいく」というのは私利私欲を捨てて、国民の皆様方に尽くしていく、とことん生活現場主義に徹して、市民の奉仕者になっていくということです。

 みなさん「政治とかね」「国民を踏み台にしていく政治」に鉄槌をくだし、日本の政治を、どこまでも清潔な、どこまでも愚直に「真面目に働く人に真面目に答える」政治を確立していかなければなりません。それが公明党の結党理念です。

 公明党の「生活現場主義」を今こそ日本の政治の柱にしなければなりません。

●高機能コンピュータ、それを使う人間が問題

 コンピュータは優秀な頭脳を持っています。コンピュータの心臓部といわれるCPU(中央処理装置)は例えばアメリカのインテル社が開発し世に出したのは1971年11月に世に出した世界初のマイクロプロセッサ「4004」が登場して、絶え間なく進化してきました。

 その4004マイクロプロセッサの動作周波数は0.108MHz、人間の演算速度の1000倍といわれました。トランジスタ数にして2300個。最近の2003年からのインテルPentiumMプロセッサは18000MHz、トランジスタ換算7700万と言われます。OSもWindows95からXP、VISTAと進化し、高度情報社会が加速度的に進化してきました。

 しかし、どれほど演算処理速度が高性能でも、そこに入力するデータに不備があると、とんでもないことになり、一国の政治の屋台骨を根元から揺り動かすことになる。このことも証明されました。

 また「宙に浮いた年金」騒動を引き起こした社保庁のデタラメ情報処理システムに、1967年度から年金保険料など総額1兆4000億円もの巨費が投入されていて、さらにシステム運用管理を委託する4社に社保庁や旧厚生省のOB15人が天下りしていたことも判明してきました。

 今回の、「宙に浮いた年金記録」はまさにこうした人間の能力をはるかに超えたコンピュータは、いい加減な態勢で運用するとどうなるかという結果です。コンピュータは、それを使う人間がコントロールできなければ、暴走するということです。

 公明党の「人間主義」は、高度情報社会の進展と共に、毅然と光るではありませんか。

(東田交差点での街頭演説から)


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