伊藤ひであきの地方からの提言


05秋 かかしが見ているよ      2005.09.19

  400年前の「桶狭間の合戦もかくありなん」と思われるようなすさまじい衆院選が終わって、片田舎に穏やかな秋が戻ってきた。お百姓さんが立ててくれて、かかしの季節になりました。

 私は秋の陽と黄金の穂に映えて慄然とまっすぐ前を見て立っています。

 「郵政民営化に○か、×か」と煽り立て「改革を止めるな」の単純明快な「小泉劇場」の幕が降りて、巨大幕府が誕生しました。
 巨大幕府の陰で3議席減らした公明党さん。国の構造改革の嵐の中で住民による財政や行政のコントロールの仕組みがあいまいだから、痛みが公明党の生命線である真面目に働く人たちの生活を直撃しつづけていますよ。
 ここへ来るお百姓さんたちも「年貢米が年々多くなって」と嘆いていますよ。弱者への視点をますます強めて、「庶民の味方公明党」の脚本をしっかり書かないと埋没しちゃいますよ!頑張ってくださいね!
 こんな時代だからこそ、理念と哲学を持った真面目な政治集団がいぶし銀のように光ってくるはずです。幕府のチェック機能をしっかりやってくださいよ。

 沖縄で敢闘空しく敗れましたね。イラク派遣を始め、憲法第九条問題に「平和の党」がアピールし切れなかったのではないでしょうか。かって沖縄の戦地を巡る那覇観光のバスガイドさんが別れ際に「戦争ほど残酷なものはない。戦争ほど悲惨なものはない―この言葉を皆様のお土産としてお贈りします」ってアナウンスしてくれたことが忘れられません。
 幕府の右傾化、国家主義化のブレーキが甘くなっていませんか。

 私が田んぼの中に立ってじっと見ていて一番怒れるのは、あれだけ郵政民営化に反対した人たちが、一転、「国民の総意に従う」といいだしたこと。何を言ってるのよ!貴方たちが反対したから、730億円も使って選挙になったんでしょ?
 奇襲攻撃かけられて、やっつけられて、「もう敵対しませんから、許してよ・・」だって。腹を切りなさい!いさぎよく。
 それができないのなら、信念を貫きなさい!

 ついでに、菅さんよ、「今はケンカに強い人間が党首にならなければならない」何いってんのよ。日本の将来に責任もって国民が夢を卓せる人が党首にならなければ、支持は戻ってきませんよ。そんなこと言ってるから、前原さんに負けちゃって・・・。
 ついでに、岡田さん、あなたは日本の女性たちがなぜ韓国まで「ヨン様」をおっかけて騒いでいるのか知ってます?あの笑顔、あの爽やかさがたまらないのよ。暗い時代に、暗すぎるのよ、あなたは!吉本へ行って修行してきなさい。

 ついでに、政治家の皆さん。マニフェスト読ませていただきました。立派なことばかり書いてありますが、民の思っていることにマッチしていますか。
 この田んぼに来て、汗かいて農作業してる人たちは、「私達が住むこの国は何もかもおかしくなってきていますが、大丈夫なんですか」と恨めしそうに私に問いかけるんです。残念ながらかかしは物が言えません。
 それに応えてこの国をどのような国にしようとしているのかという全体像をきちんと示すのが、政治家の仕事ではありませんか。
 まして国の借金だけでも795兆8338億円、一人当たり624万円というではありませんか。

 亭主の手取り額がどんどん減る中で「児童手当をどうの、子育て支援をどうの」と政治家の皆さんは頭をひねっていますが、若いお母さんのなかには「女性が子どもを産まないのは何故だか解ってないわね」と迷惑してるかもしれませんよ。

 最後に、ピカピカの国会議員のみなさんに、かかしからのお願い。

 「永田村へ行くのにグリーン車に乗らずに、国民のニーズを汗臭い生活実感の自由席で学びなさい!」
 この田んぼに農作業に来る人たちが未来に安心できるために何を望んでるかを知るためには緑の駕篭に乗って通り過ぎるんじゃなくて、田んぼの中まで入ってこなくちゃあ解りませんよ。

 かかしはじっと見させてもらいますよ!!!


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