伊藤ひであきの地方からの提言


05夏 大詰めの「郵政民営化」、どう転ぶ      2005.08.07

●変人の信念かわらず!?

 首相の後見人を自負する森氏、「解散やって、みんなを苦しめて何の意味があるのか」首相「おれの信念だ。おれは殺されてもいい。それぐらいの気構えでやっている」
森「変人以上だな」
首相「それでいい」

 8月8日、大変に幸運な数字が並ぶこの日の郵政民営化決戦を前にして・・・。そんな生々しい報道が新聞・テレビで伝えられている。

●さあ、踊りましょうや!?

 昨夜(8月6日)、近くの小学校の校庭で盛大に恒例の盆踊りが行われた。蒸し暑い夏の夜に、一塵の風が吹き抜ける。大会本部には校区の役員たちが陣取る。ほとんどが自民党員。以下は休憩時間でのやり取り。

「伊藤さん、どうやね、解散するんかね〜」
伊藤「さあ、えらいことになってますが、どうなんでしょう。この週末の最後の詰めが全てですね」
「郵政が否決されて、解散になって、選挙になったら自民党は絶対に負けるで」
『「自民党をぶっ壊す』というのはこういうことやったかも」
「まあ、しかし、あんたら公明党も賢いわな。もう民主党に連立を呼びかけて・・」
「それを、神崎さんが否定して、誰が見ても脚本どうりやわな」
伊藤「そんなことより。郵政民営化、どう思っておられます?一生懸命レポートを配らせてもらいましたが」
「いっとることは、わかるんやが。郵便局がつぶれるのは、どうも賛成できん」
伊藤「郵便局をつぶすなんて、いっとらへんのやけどね。公明党がいるからこそ、そこはちゃんと守るとしたんやけどね」
「それでも、成績がわるい郵便局はつぶれていくし、統合されていくんでしょ」
伊藤「そりゃーまあ、民営化というのはそういう面もありますわ」
「やっぱり、いまのまんまでいいんとちゃがうかなん、そんなにうまくはいかんに」
「まあいいがなん、さあ、踊りましょうや。政治家の先生あてにしとると馬鹿をみますから、この国の将来など期待するのは高望みということですわな」
「まあ、伊藤さん、あんたらは、また民主党に、ほいほいくっついていくんでっしゃろ」
「まあ、いいがなん、さあ踊りましょうや。『炭坑節』からでっせ」
伊藤「・・・・」

●事態は最悪の方向!?

 日本が本当の資本主義社会にむかって大きく脱皮できるのか、依然として官僚内閣制を続けていくのか。
 明日、否決されれば、あと何十年たっても民営化などできないだろう。とてつもなく非効率な公社組織と規律なき金の使用法は改められないだろう。

 郵政事業職員の年収は640万円という。米国郵政公社は500万円、ヤマト運輸は450万円という。特定郵便局長の年収は1000万円を超える人もいて、その上に局舎を500万円で借上げてもらっているから、年収では村長さんをはるかに上回る。こういう高賃金体質だから、変わりたくないのだ。よって日本の郵便料金(封書)は80円、フランス45円、イギリス41円、アメリカ36円なんだ。

 事態は最悪のケースに向かっている。

 この最悪の事態は変人でなければ乗り越えられないかもしれない。

 ふと、頭を上げると、私の机の前に次の言葉が貼り付けてある。
「歴史を見ても、偉大な仕事は往々にして、同時代の人には理解されず、迫害されるものだ。しかし、嵐に向かい、嵐を超えてこそ、不朽の事業はできあがる」

 ひょっとするとこの大悪は大善の兆候かもしれない。ならば、小泉という人は敗戦に打ちひしがれた日本で平和憲法を創りあげたマッカーサーのように我らがめざす「真面目に働く人が報われる社会」構築のためには超えねばならぬ日本の厚い壁を打ち砕くための諸天善神なのかも知れない・・・。



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